埼玉新聞

 

<新型肺炎>始業式・入学式、行った小中高 窓を全開、手つながず 校長との握手は腕と腕をクロス

  • 池田智恵子校長(左)と握手の代わりに腕と腕をクロスしてあいさつする新1年生=8日午前、吉見町立東第二小学校

 緊急事態宣言の発令から一夜明けた8日、県内各地で小中高校の始業式、入学式が開かれた。延期した自治体もある中、予定通り実施した学校は参加人数を絞ったり、席と席の間を空けたり、手と手が触れ合う機会を別の形に変えたりと、感染の危険を極力減らして臨んだ。一方で入学式を行わず、初登校のみを行った市もあり、新1年生たちたちはそれぞれ異なる出発になった。

 吉見町では8日、小中学校6校の入学、始業式を行った。町立東第二小学校(池田智恵子校長、児童43人)の入学式は午前10時から例年通り体育館で開かれたが、時間は約20分に短縮。出席者は新1年生6人と、在校生は6年生の7人、教職員、付き添いの保護者は新入生1人につき2人に限り、来賓は招かなかった。全員マスク姿で入学式に臨んだ。

 会場は出席者の席の間隔を十分空け、窓を全開にして換気に配慮した。式でも、昨年までは6年生が新入生の手をつないで入場したが、今回はそれぞれ約1メートルのリボンの端を持って入場した。校長との握手も右腕と右腕をクロスさせる形に変更した。

 式では池田校長が「入学おめでとう。今日から東第二小の1年生です。分からないことは上級生や先生に何でも聞いてください。これから楽しい学校生活を送ってください。少しの間、休みになりますが、しっかり待っていてください」とあいさつ。

 在校生を代表して、6年生の岡崎有咲さんが「(学校は)楽しいことがたくさんあります。たくさんの仲間がいます。今日から(皆さんは)大切な仲間です。これから楽しい学校生活を共に歩んでいきましょう」と呼び掛けた。

 越谷市では小中学校45校で入学式を実施し、時間短縮で在校生も登校した。

 123人の新入生を迎えた越ケ谷小学校(鈴木雅彦校長)は、感染防止策として新入生と保護者1人のみの出席で、出席者を半分ずつ交代させる2部制に。座席も1メートルほど間隔を空けた。式も約15分間と短縮し、来賓のあいさつはなく、校歌も1番だけ曲を流すなど簡略化。入れ替え時に全ての座席を消毒液で拭き取った。

 出席した母親(36)は「集合写真撮影などの催しがなくなってしまったのは残念だが、入学式を行わない自治体もあるので、準備していただいたのはありがたい」、別の母親(31)は「心配な気持ちもあったが、娘の晴れ姿を見て式の実施はありがたく思う。子どもを預けるのは不安があるので、臨時休校の延長は賛成」と話していた。

ツイート シェア シェア