埼玉初!無料でスマホ貸与、持っていない高齢者に 熊谷市が発表 情報格差を解消、委託業者はソフトバンク
熊谷市は31日、スマートフォン(スマホ)を所有していない高齢者にスマホを6カ月間無償で貸与する事業を行うと発表した。基本的な操作を講習会などで習得できるよう支援することにより、スマホの利便性を伝えるとともに普及を進め、高齢者のデジタルデバイド(情報格差)の解消を目指すことが目的。同市によると、県内の自治体でスマホの購入費用を一部補助する制度はあるものの、スマホの無償貸与は県内初という。
対象者は同市在住で65歳以上の高齢者。スマホを持っておらず、計6回の講習会と計2回のフォロー講習会に参加できる人が対象となる。スマホの貸与は200人以内。期間は11月上旬(一部10月末から)から来年7月31日までで、1期(100人、11月~来年4月)と2期(100人、来年2~7月)に分けて実施。委託業者はソフトバンクで、アンドロイド端末を貸与する。
講習会は基本的な操作方法や電話、メール、写真・動画の撮影、交流サイト(SNS)・アプリなどの活用が習得できるようにする。貸与期間中は専用コールセンターを設置して各種の疑問などにも相談対応。貸与終了時に希望する参加者には新たな端末取得に関する手続きも支援する。
募集は15日まで。8月29、30日で154人から申し込みがあり、90代が6人、80代が43人いた。希望者は本庁舎1階の長寿いきがい課や各行政センター、ホームページなどで配布する申込書に必要事項を記入し、同課に郵送か窓口で申し込む。申し込み多数の場合は抽選となり、結果は10月上旬に郵送する。
同課は「スマホにしたいけれども、利用できるか不安という高齢者でもスマホを一から学べる機会となる。その便利さを実際に体験してもらい、自分もスマホを持ちたいと一人でも多く思ってもらえるきっかけになれば」と話している。問い合わせは、同課(電話048・524・1111)へ。