熊谷+きなこといえば…地元名物を次世代に 食べやすさや味を工夫 2020年開店の五家宝店「熊谷きなこ屋」
2020年5月に埼玉県熊谷市高柳にオープンした五家宝店「熊谷きなこ屋」。代表の梅村昭典さん(46)と妻の明子さん(48)が夫婦で営んでいる。食べやすい大きさに切った手のしの五家宝が売り。梅村さんは「オープンする時は新型コロナが最初に流行した時で悩みに悩んだが、お客さんがついてきてくれた」と語る。
梅村さんは同市出身。高校卒業後、調理師専門学校を経て、五家宝店に勤務。「若い人にも五家宝に興味を持ってもらいたい」と決意し、自らの店を構えることに。開店時は新型コロナウイルスによる緊急事態宣言も発令されていたタイミングだったが、悩んだ末に自分の夢をかなえた。
五家宝はもち米の「おこし種」と水あめを棒状に練り上げ、きな粉をまぶした菓子で、埼玉銘菓として知られる。22年には文化庁が地域に根付く食文化を「100年フード」と名付けてPRする制度で、埼玉関係では草加せんべい(草加市)やフライ・ゼリーフライ(行田市)と共に100年フードにも認定された。
同店の五家宝は食べやすいように一口サイズにしてカップに入れて販売。つまようじも付き、手を汚さずに食べることができる。ワイヤ付きの袋に入れても販売している。味も黒糖や黒ごまなどのさまざまな味を用意。梅村さんは「最近は学校帰りの子どもたちを含めて若い人が買ってくれるようになった」と話す。
販路の拡大に力を入れる一方で、熊谷の伝統文化について知ってもらおうと、市内の小学校で五家宝教室も開催。子どもたちが五家宝作りを体験し、地元名物に触れる機会にも尽力している。梅村さんは「子どもたちに五家宝に興味を持ってもらい、次の世代にも技術を残していきたい」と話していた。
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梅村さんは4日午後8時から放送されるコミュニティーFM「FMクマガヤ」の「須永公人の週刊フードラボ」に出演する。