埼玉新聞

 

<新型肺炎>ひとり親世帯に3万円支給 生活困窮の子育て世代に絞り、戸田市が独自の緊急支援

  • 戸田市役所=戸田市上戸田

 戸田市は22日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、独自の緊急支援として、市内のひとり親世帯、生活困窮世帯に一律3万円を支給すると発表した。新型コロナウイルスに関連した生活困窮の子育て世代に絞った支援は県内初。同市よると、全国でも珍しい支援という。支給は5月11日。また売り上げが減少した市内の小規模事業者・個人事業主に一律10万円を支給する。会見した菅原文仁市長は「子育て世代や小規模事業者の目前の厳しい状況を乗り越えることを助けるため、スピード感を持った対応をしていきたい」と語った。総事業費は約12億円。

 「新型コロナウイルス対応緊急支援パッケージ」として、緊急生活支援対策(事業費3839万円)と小規模事業者・中小企業を対象にした緊急経済雇用対策(同10億4800万円)が柱。新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止になった戸田橋花火大会など各種事業の予算も財源に充てている。

 ひとり親世帯と生活困窮世帯に「子育て支援臨時給付金」として一律3万円を給付する。対象となるのは児童扶養手当受給世帯と就学援助認定世帯(約1260世帯)。申請の必要はない。

 経済雇用対策では「小規模事業者臨時給付金」として小規模事業者・個人事業主に一律10万円を給付する。対象は売上げが減少した市内の事業者。菅原市長は「1円でも減った人が対象になる」とした。5月中旬に申請を受け付け、3週間程度での支給を目指す。

 さらに、市民医療センターに人工呼吸器1基や感染防護設備や備品を強化するために緊急感染症予防対策(事業費1億円)を盛り込んだ。

■児童手当支給日に間に合わせたかった

 戸田市が全国でも珍しい生活困窮世帯に向けた緊急支援対策に踏み切った。政策を主導した内田貴之副市長(48)は「関連NPOの調査では、シングルマザーの半分以上が収入減で、5%はゼロという状況になっている。今をしのぐ生活資金が欲しいという悲痛な声がある」とし、「5月11日の児童扶養手当支給日になんとか間に合わせたかった」と意図を話した。

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