埼玉新聞

 

<新型コロナ>中国から春日部市にマスク5千枚 親善交流を続ける江蘇省張家港市、中国政府に働き掛け郵送

  • 坂田好之さん(右端)一行が石川市長にマスクを手渡し

 春日部市と交流のある中国江蘇省張家港市の子どもたちが、日本ではマスクの購入が難しくなっている現状を知り、市で役立ててほしいと5千枚のマスクを来日の際に世話人となっていた同市の「羽子板のさか田」会長の坂田好之さん(75)のもとに送り届けた。

 坂田さんは一ノ割町会会長の金重一夫さん(72)らと23日、市役所を訪れ、石川良三市長に寄贈マスクと市長及び交流のあった市内3校に宛てた子どもたちのメッセージを手渡した。石川市長は「(市内関係者が)力を合わせ親善交流を続けてきたことが相手にも通じ、マスク寄贈という心温まる大きな成果につながった。さらに大きな輪が広がっていけば」と感謝の気持ちを述べた。

 昨年度、学校間の親善交流などで来日した張家港市の小中学校3校の児童・生徒ら約30人が、集めた約30万円ほどの小遣いを使い、学校を通してメーカーから白マスクを調達。中国政府に働き掛け、マスク5千枚を郵送した。

 坂田さんは「子どもたちが、春日部でお世話になった皆さんへの感謝の気持ちから自発的に動いてくれたと聞き、大変感動した。このような草の根交流の積み重ねが真の国際交流につながるのを実感した」と喜んだ。

 寄贈を受け、鎌田亨教育長は「(今回の寄贈を市内の)子どもたちがどう捉えるかということだと思う。今度何かあった時に自分たちは何ができるかを考えるきっかけになれば。今後の教育に生かしていきたい」と語った。

 寄贈されたマスクは、教育機関を中心に活用していく考え。これまで市に寄贈されたマスクは、23日現在で企業や個人から4万5500枚。うち1万6千枚のマスクを医療機関や介護施設などへ配布しているという。

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