<新型コロナ>デジタル授業、5月11日から開始 さいたまの全小中学校の生徒10万人対象
新型コロナウイルスの影響で、さいたま市立学校の臨時休校が続いている中、市教育委員会は27日、全小中学校の児童生徒約10万人を対象にしたデジタル授業を5月11日から実施すると明らかにした。子どもたちは時間割表に基づいて、教諭らの作製した動画をインターネット上で見て授業に参加する。5月末までを予定しているが、休校が継続されれば、その後は1カ月ごとに検討するとしている。
市教委が27日、初のテレビ会議で実施した臨時校長学校管理研修会で説明した。
動画は約15分で、市立の全小中学校の教諭らが工夫を凝らして作製したもので、最終的には約840本を準備する予定。国語、算数、理科、社会のほか、音楽や体育なども作製する。双方向のやりとりはできないため、教諭が子どもたちに学習状況を確認する。「朝の会」や「学習の進め方」の動画もあり、保護者の協力を得ながら、自宅で学校生活のリズムに合わせられるように促していくという。
小学1年~中学3年まで、時間割表は午前中に1時限40分の3時限を行う内容。午後は各学校が課題を検討する。各学校がホームページで授業内容を掲載し、学校安心メールで保護者に周知する。
市教委の調査の結果、ネット環境にアクセス可能な家庭は94・3%だった。ネット環境にない家庭に対しては、個別に相談して、学校のパソコン室を開放したり、授業の資料を手渡すなどして丁寧に対応するように指示された。
細田真由美教育長は「休校が続き、学習指導要領に合わせて授業を詰め込むには限界。子どもたちの心も限界に来ている。(デジタル授業に向け)保護者の皆さんに協力してほしい」と話していた。
研修会は密集などを避けるため、初めてテレビ会議で開催された。会議では、休校が長期化していることから、児童生徒の心のケアも注意するように指示された。