埼玉新聞

 

<新型コロナ>妖怪・アマビエ描いたクッキー、施設の利用者支える 大切な居場所、取り戻したいと企画

  • アマビエがデザインされたクッキーを持ち、新型コロナウイルス終息を願う利用者と施設職員ら=7日午後、さいたま市西区

  • アマビエにかたどられたパン(左)と利用者が描いたクッキー

 新型コロナウイルスの終息を願い、さいたま市西区の障害者施設「埼玉福祉事業協会」は、妖怪「アマビエ」を描いたクッキーを製作した。施設利用者と職員が考えてデザインしたもので、4月30日の発売以来、贈答用として人気を集めている。

 障害者の就労支援などを行う同施設は、約40人の通所者と約150人の入所者が生活している。新型コロナウイルス感染拡大の影響が懸念されたが、利用者にとって働くことは生活リズムを整えることになり、何より大切な居場所であることから、徹底した感染防止対策を取り、利用者を支えている。

 新型コロナウイルスが一刻も早く収まり、利用者の日常だった「居場所」を取り戻したいとの思いで、クッキーの製作を企画した。

 アマビエは、日本に伝わる半人半魚の妖怪。疫病を鎮めるとされ、話題を呼んでいる。クッキーにはモチーフの天女が雨(疫病)を晴らすようにと虹を描いた。多くの人に笑顔が届くよう願いを込め、5種類をデザインした。

 クッキーは1枚が直径5・5センチ。アーモンドパウダーを使用し、甘さも控え目。サクッとした食感と香ばしい香りが特徴だ。

 5枚で250円(いずれも税別)。贈答用の箱入りは15枚入り800円から販売する。同施設のほか、市内4カ所で取り扱う。さいたま市内や近郊では無料配送も行っている。売り上げは障害者の自立支援に活用していくという。

 また、クッキー以外に、チョコレート入りのアマビエパン(160円)も販売する。

 高橋清子理事長(51)は「コロナで多くの人が我慢し、頑張っている時。クッキーのデザインを見て、少しでも明るい気持ちになってくれたらうれしい」と話している。

 問い合わせは、同協会(電話048・625・5100)へ。

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