まさか死体が…放置された盗難車からテープで巻かれた遺体発見、身元判明 刺された傷、殺人事件か/和光
和光市の月決め駐車場に止めてあった軽ワゴン車の中から性別不明の遺体が見つかった事件で、県警は11日、死亡したのは住所、職業いずれも不詳、岩渕和政さん(31)だったと発表した。県警は現場や遺体の状況などから死体遺棄事件と断定し、朝霞署に80人態勢の捜査本部を設置。刃物で刺されたとみられる複数の傷もあり、殺人事件の可能性も視野に調べる。
捜査本部によると、岩渕さんの遺体は車の後部で発見され、上半身に刃物で刺されたとみられる複数の傷があった。
捜査関係者によると、遺体は布のような物で覆われており、テープが巻かれていた。傷は腹や胸などにあったという。遺体は腐敗が進んでおり、死後数日が経過しているとみられる。県警は司法解剖して死因を調べている。
10日午前、駐車場を管理している50代男性から「無断で駐車している」との通報があり、駆け付けた警察官が同日午後2時40分ごろ、車内で遺体を発見。車は盗難届が出ており、東京都内の会社で使用されていたものだった。岩渕さんについては関係者から捜索願が出ていた。
■4月上旬から車放置
駐車場に止めてあった車から遺体が発見された現場は、東武東上線和光市駅から南東に1キロほど離れた閑静な住宅街。
近くのマンションに住む会社員女性(33)は、10日の午後3時ごろに警察官が大勢駆け付け、現場付近をブルーシートで覆っている光景を目撃した。「普段は物静かな地域。間近でこんな事件が起きるなんて怖い」と驚いていた。
同じマンションに住む男性会社員男性(67)によると、遺棄されていた白い軽自動車は、4月上旬ごろから駐車場に止めてあったという。「車に会社の名前が書かれていたから、気に止めなかったが、まさか中に死体があるなんて思わなかった」と話していた。
近所の40代主婦は「ニュースで知って、家の近くだったので驚いた。地域の人が巻き込まれていなければいいけれど」と心配していた。