埼玉新聞

 

<新型コロナ>オンライン給食、ときがわで開催 賛同した飲食店、楽しめるよう工夫した弁当を用意

  • 「オンライン給食」の画面。参加者が一斉に「いただきます」をした(ときがわ若者会議提供)

 新型コロナウイルスの拡大を受け、外出の自粛が続く中、ときがわ町で「第1回こどもオンライン給食」が行われた。町内の飲食店で作った弁当を、オンライン上で同時に食べるイベントで、今月後半にも予定している。

 運営団体は「ときがわ若者会議」。39歳以下の住民ら約50人が参加したオンラインウェブ会議から生まれた。コロナの影響で、学校や保育・幼稚園の休校・休園が続く中、「ステイホームで友達に直接会えなくても、子どもたちが心通わせる場が欲しい」との声から始まったという。

 子どもがいる家庭を中心に参加希望者を募り、趣旨に賛同した飲食店「ラゴムカフェ」が、地元の野菜をふんだんに使い、楽しく食べられるように工夫した弁当を作った。

 配達は有志が行い、マスクと手袋を装着、弁当に直接触れないほか、玄関口に弁当を置いてから連絡することで接触しないよう配慮した。

 1回目は4月下旬に行われ、11世帯(子ども20人、大人20人)が参加した。当日は正午に、パソコンやスマートフォンの前に弁当を置いて準備完了。合図とともに全員で「いただきます」。弁当のメニューを聞いたり、会話を交わしながら食事した。

 食後は子どもたちが「コロナが落ち着いたら〇〇したい」をそれぞれ発表。「保育園に行きたい」「恐竜に会いたい」など、子どもらしい本音が聞けて、大人たちも「充実した時間を過ごせた」という。

 プロジェクトのメンバーは「いつもとは違う日常の中でも『子どもたちが交流する場が作れたらいいな』との小さな思いつきが、ときがわ若者会議の皆さんのおかげで動き出すことができた。どんな環境でも工夫次第で可能性が広がる。先の見えない今、この時間も大切な未来を作る一部だと考えている」という。

 ときがわ若者会議事務局の青木江梨子さんは「今月後半に2回目のオンライン給食を行いたい」と話している。

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