<高校入試コラム>余裕を持って本番に 教育ジャーナリストが最終メッセージ「特別な日こそ平常運転大事」
■今から「猛勉強」してはいけない
埼玉県公立高校入試を直前に控えた受験生へ。これが私からの最終メッセージだ。
「えっ、今さら頑張っても無駄ということ?」
いや、そんなことは言っていない。へとへとの状態で試験当日を迎えたら、自己ベストが出せるわけがないから、身体的にも、気持ち的にも、少しばかり余裕を持って本番に臨もうではないかということだ。試合前日に「猛練習」するアスリートがいないのと同じことだ。
■昨日まで頑張ってきたじゃないか
本番で戦うのは「今日の自分」だ。昨日まで頑張ってきた、今日現在の自分だ。
1週間後、今以上の自分になれるか。もしかしたら、なれるかもしれない。が、体調でも崩そうものなら、間違いなく今以下の自分となって戦うことになる。
今以上を目指して今以下になってしまったら、せっかく頑張ってきたのにもったいないではないか。
■「ゆっくり」、だが「じっくり」
残り1週間の勉強は、気持ちの上では「ゆっくり」、中身的には「じっくり」やることだ。不安があるときや焦っているときは「ゆっくり」くらいの気持ちでちょうどいい。と同時に、あれこれ手を出してすべて中途半端になるより、少ない問題に「じっくり」と取り組んだほうがいい。
本番当日、あなたの力になってくれるのは、「10のあやふやな知識」より「一つの確実な知識」なのだ。
■「頑張って」はいらない
最後にご家族の方へ。「頑張って」と言わなくていい。本人、言われなくても頑張るから。たとえば、いつもよりちょっと強めに握った「おにぎり」をポンと渡せば、それが心のメッセージ。「車に気をつけてね」、「今晩、何食べる」。特別な日ではあるけれど、だからこそ平常運転が大事。
■梅野弘之氏
教育ジャーナリスト。元埼玉県公立高校教諭。広告会社・出版社勤務を経て、平成10年、株式会社メディアバンクスを設立。中学校・高校の募集・広報コンサルティング、入試関連イベント・同テレビ番組の企画、進学情報誌の編集発行などに携わる。昭和26年(1951年)、浦和市(現さいたま市)生まれ。埼玉県立浦和高等学校・上智大学卒業。
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