埼玉新聞

 

胸に歌詞に強い地元愛 自分の曲で日常に彩りを…川口のシンガーソングライター、熱い思い秘めた音楽を発信

  • サッカーチーム「アヴェントゥーラ川口」のホーム開幕戦で応援歌「無名のランナー」を熱唱する小林拓真さん=2019年9月、川口市の青木町公園総合運動場(本人提供)

 川口市出身のシンガーソングライター小林拓真さん(32)が、メジャーデビューを目指して音楽制作に励んでいる。より良いものを届けようと、30歳で脱サラして音楽活動を本格化。音楽だけでなく、まちの魅力を発信するなど、強い地元愛を胸に、声を響かせる。

 「音楽に何度も人生を救われてきた。次は自分の曲で誰かの日常に彩りを加えたいんです」。胸に秘めた熱い思いが言葉になる。高校時代から音楽活動を続け、会社員と音楽活動を平行していたが、音楽活動に専念しようと2018年末に退職。地元の川口市を拠点に活動を始めた。

 路上ライブや会員制交流サイト(SNS)を通じて、音楽を発信。19年3月には川口キャバリーノ(川口市)で自身初めてのワンマンライブを開き、遠方からもファンが駆け付けた。「無名の私が開いたライブに全国から来てもらえて、うれしかった」

 それと同時に「地元川口の発展にもつなげたい」という思いも込み上げてきた。自身が通うラーメン店など、知られざる街の魅力をハッシュタグ「#おいでよ川口」を付けて、SNSで発信。動画投稿サイト「ユーチューブ」にチャンネルを開設し、川口の良さもアップしている。「鋳物の街として発展してきた川口は人情に厚い方が多い。川口出身というだけで、縁の広がりが感じられる」

 動画配信を見た人の紹介もあり、自身の楽曲「無名のランナー」が川口市のサッカーチーム「アヴェントゥーラ川口」(県社会人サッカーリーグ1部)の応援歌にもなった。昨年9月のホーム開幕戦では約500人のサポーターを前に熱唱。「いつか栄光を手に入れるんだという気持ちを歌詞に乗せた。分野は違えど、川口から大きなステージに羽ばたくという思いは同じ」と刺激にしている。

 目標はメジャーデビューし、地元の川口総合文化センターリリアで客席を埋め尽くす2千人のファンの前でワンマンライブを行うこと。合わせて「川口市のPR大使として地域貢献もしていきたい」と意気込む。「自分の楽曲が誰かの背中を押して前向きになる一助になれば」。夢に向かって駆け出し、琴線に触れる歌を歌い続けていく。

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