<新型コロナ>10万円給付、県内各地で差 人口規模などスピード左右 急を要さない人は申請時期ずらして
政府の新型コロナウイルス緊急経済対策として1人当たり10万円を配る「特別定額給付金」の給付が、県内でも始まった。埼玉新聞社の調べ(13日現在)では、マイナンバーカードを用いたオンライン申請に対する振り込みは、川口市や久喜市、鳩山町などで既にスタート。郵送申請については、飯能市や横瀬町、東秩父村などで今月中旬から給付金が振り込まれる一方、人口の多いさいたま市や越谷市などは6月中旬からを予定。支給の手続きは市町村に委ねられており、人口規模や職員の事務負担などにより給付時期に差が生じているのが実情で、県民に現金が行き渡るにはなお時間がかかりそうだ。
久喜市は今月1日からオンライン申請の受け付けを開始し、大型連休(GW)明けの7日から給付を始めている。14日時点で1642世帯に給付済み。初日には486件の申し込みがあった。一部の市職員が休日を返上して、申請のあった世帯主名や世帯構成員などを確認した。
同市は15日に郵送書類を郵便局に持ち込んだ。同市の給付対象は約6万7千世帯。市企画政策課は「本当に困っている方に一日も早く給付金が届くよう、急を要さない方は申し込みの時期をずらしていただきたい」と呼び掛けている。
鳩山町も1日からオンライン申請を受け付け、7日から給付を開始。町政策財政課は「町内の飲食店を中心に困っている人が多い。すばやい支払いが必要」とし、申請書を郵送するまでの措置として、15日まで町のホームページ(HP)で提供した申請書による届け出も可とした。14日時点で330世帯が給付金を受け取った。このうち6割弱がHPで提供した申請書を利用していた。
給付対象が約29万3千世帯の川口市も8日からオンライン申請に対する給付を開始し、13日時点で5243世帯に振り込んでいる。一方、申請書の郵送は今月下旬を予定し、郵送申請の給付時期は6月中旬からを見込んでいる。市担当者は「人口規模が大きいので、申請書の印刷や封入などの事務作業に時間を要する」と説明した。
坂戸市はオンライン申請、郵送申請ともに、給付は6月下旬からになる予定。口座情報の登録や支払い決定に必要なシステムを構築するために時間が必要という。市臨時給付金室は「ご迷惑をお掛けし、心苦しい」と話す。同市は生活状況が厳しく、一刻も早く給付金が必要な人のために市HPからダウンロードした書類による申請も実施(既に受け付け終了)。13日時点で約900世帯から申し込みがあった。
自治体間で給付時期に差が生じることについて、県地域政策課は「国のシステムと各市町村のシステムの連携がうまくいっているところとそうでないところがある。郵送書類の取り扱い件数など、人口が多いか少ないかでも差が出てきている」としている。