人気絶品“海鮮スーラータンメン”は「天使のエビ」入り 老舗の町中華、さらに人気1位“麻婆定食”は格別
県道に面した鶴ケ島市藤金の住宅街に、こぢんまりした店がたたずむ。1976年創業の「中国料理 蔵王飯店」だ。町の頃から本格中華を身近に楽しめるとして、地域の人々に親しまれてきた。
料理長は2代目の田村義明さん(46)。今も点心の仕込みに腕を振るう父貞夫さん(82)、接客担当の母とく子さんと3人で切り盛りする。店名は宮城県出身のとく子さんが、蔵王連峰の麓で育ったことにちなんだという。
群馬県生まれの貞夫さんは、東京都内にあった中国料理の名店で修業し、貞夫さんを見込んだ料理長の片腕として幾つかの店で働いた後に独立。蔵王飯店を開いた。田村さんは4人きょうだいの2番目で次男。小学校1、2年生の頃からエビの殻むきなどをさせられ、「絶対継ぎたくないと思った」と振り返る。
高校まではサッカーに打ち込んだが、卒業すると店を手伝い始めた。「お客さんにおいしいと言われ、気持ちが変わった。好きなことよりも、優れた部分を生かそう」と決心。20歳ごろから10年間、東京の品川プリンスホテルにある「中国料理 品川大飯店」などで研さんを積んだ。
30歳で戻ると、貞夫さんの上海料理に自身の広東、四川料理を融合。市内や県内産の無農薬野菜も使うようになった。1番人気は、ひき肉から店で作る「四川麻婆(マーボー)豆腐定食」。最近、フカヒレを丸ごと煮た「鶴ケ島サフラン入り海鮮酸辣湯麺(スーラータンメン)」をメニューに加えた。「料理で鶴ケ島を底上げし、活性化させたい」と田村さん。古里の株をアップしようと奮闘する。
【メモ】中国料理 蔵王飯店 埼玉県鶴ケ島市藤金46の1(電話049・286・1667)。営業時間は午前11時半~午後2時(ラストオーダー)、午後6時~同8時半(同)。月曜夜は前日までの予約で営業。定休日は火曜と毎月第3週ごろの月~水曜。東武東上線鶴ケ島駅西口から車5分。
【主な人気メニュー】四川麻婆豆腐定食、大海老(エビ)のチリソース定食、若鶏の蔵王カラアゲ定食(いずれも税込み1200円)など。新メニューの鶴ケ島サフラン入り海鮮酸辣湯麺(同2980円)は、市のイメージキャラクター「つるゴン」にちなみ、高級食材「天使のエビ」も使ったぜいたくな品。