145年の歴史に幕 明治6年開校の春日部・宝珠花小、3月末で閉校 4月から県内初の義務教育学校に
2019/02/18/00:00
児童数の減少に伴い3月末で閉校し145年の歴史に幕を下ろす春日部市立宝珠花(ほうしゅばな)小学校で16日、閉校記念児童集会が開かれた。卒業生をはじめ同校で教べんを執った教員ら約200人が集まり、学びやでの思い出話に花を咲かせた。
宝珠花地域は市東北部、旧庄和町の拠点地域で江戸川の舟運で栄えた。地域は5月3日と5日に開かれる大凧あげの伝統と文化を引き継いでいる。
1873(明治6)年開校。児童が最も多かった1961(昭和36)年には315人の児童がいたとされる。過疎化に伴い、現在の全校児童数は54人。閉校に伴い同校は隣接する富多小学校、江戸川中学校と統合。児童は4月から公立の小中学校として、県内初となる義務教育学校「江戸川小中学校」に通う。
記念集会では児童が同小学校の歴史を振り返り、合唱などを披露。最後に児童と卒業生が校歌を歌い「ありがとう宝珠花小学校」と声をそろえた。
94(平成6)年から2年間校長を務め歴代校長代表としてあいさつした仁部弥生さんは、児童と小凧作りに励んだ思い出に触れ「凧の文化が引き継がれ、地域と一体となった学校だった。凧作りを通じて生きる目標を掲げる自慢できる行事だった」と回顧。「新しい学校は全国から注目を集めている。4月からは新たな第一歩を踏み出してほしい」と述べた。
祖母から4代にわたり、同校に通っているという6年生の関根彩帆さん(12)と母さゆりさん(40)は「最後の卒業生でうれしい気持ちと寂しい気持ちがあります。学校には感謝しています」と話していた。