<新型コロナ>10万円給付の申請ミス多く確認時間増 さいたま市2千件ミス対応中…同じ人が十数回申請も
新型コロナウイルスの経済対策で政府が国民全員に支給する10万円の特別定額給付金のオンライン申請で、申請者の入力内容に不備が目立ち、市区町村側の確認作業に時間がかかるなどの問題が生じている。ミスの多さからオンライン申請を休止し、郵送に一本化した自治体も。埼玉県内の自治体でも二重申請などの不備が相次いで見つかり、職員を増員するなどして対応に当たっている。
さいたま市は今月2日からオンライン申請の受け付けを開始した。19日までに約2万6千件の申請があり、約1万件のチェックを終えたが、約2千件に不備があった。
内閣府の「マイナポータル」からオンライン申請を行う仕組みで、さいたま市は2日から申請受け付けを開始している。電子申請だが、チェックするには申請内容を印字して、不備がないか一つ一つを目視で確認する必要がある。
市経済政策課によると、不備のあった2千件のうち、同じ人が十数回申請していたり、対象ではない世帯主以外の人や市外からの申請もあるという。担当者は「作業量は多い」と話しており、当初の実務担当者8人から、応援職員をもらって対応している。
特別定額給付金の受給対象者は世帯主で、人口約130万人のさいたま市は約60万世帯。市は21日、オンライン申請による給付を26日から順次開始し、郵送による申請書の発送を28日から順次開始すると発表した。郵送申請の給付は6月中旬から開始予定としている。
オンラインの申請受け付けを今月1日から開始した川越市は支給対象者は約35万5千人と見込んでおり、20日現在で約5千世帯がオンライン申請を行っている。
市特別定額給付金室によると、オンライン申請者の中には世帯主以外からの申請や、振込先の口座が入力されていないといった必要な情報を欠いたミス、同じ人が繰り返し申請する二重申請なども見受けられているという。
内容に不備のあった申請者に対し、職員がメールや電話で確認を行っており、そうした作業にかかる時間も必要になっている。
市はすでに1回目の給付を終えているが、担当者は「川越市のホームページでもオンライン申請の方法を案内している。入力した情報を再度確認した上で申請を行ってほしい」と呼び掛けている。