<新型コロナ>埼玉の県立学校、6月1日から段階的に再開 上尾などの水上公園プール、今夏の営業なし
県は22日、さいたま市浦和区で新型コロナウイルス対策本部会議を開き、県立学校を6月1日から再開し、同22日から通常登校を目指す方針を確認した。再開に伴い、学校での感染防止対策を徹底する。さらに県は市町村立などの美術館や博物館の休業要請を解除し、外出自粛などを解除する目安も示した。対策本部会議で大野元裕知事は「感染拡大の防止と社会経済活動の両立が図られるよう、接触機会の縮小から感染機会の縮小へとステージを変えていきたい」と述べた。
県教育局は、県内の新規感染者数が今月10日以降1桁で推移している現在の感染状況の継続を前提に、県立学校を6月1日から段階的に再開する。原則、最初の1週間は週1回、8日からの2週間を週2~5回分散登校し、22日から通常登校を予定する。特別支援学校は、各学校の実情に合わせて教育活動を行う。
再開に当たり、感染防止対策を徹底する「彩の国 新しい学校生活 5つの安心宣言」を作成。宣言では、(1)朝夕の検温など家庭と学校が連携した健康管理(2)マスクの着用(3)「3密」の回避(4)手洗い(5)ドアノブや手すりなど共用箇所の消毒などによる環境衛生管理―の徹底を呼び掛ける。
休校は3月2日から3カ月間に及んだ。授業時間の確保に向け、体育祭などの学校行事の延期・中止や夏休みの短縮、土曜授業の実施などで対応する。夏休みは原則、8月1日から同24日までとなる。
小中学校を所管する各市町村教育委員会には原則、県立学校と同様の対応を求めるが、高田直芳県教育長は取材に「分散登校のやり方などは、地域の状況などを考慮した上で、適切に判断いただきたい」と述べた。
外出自粛の解除を検討する目安については、新規陽性者数が週20人以下、感染源の分からない「孤発割合」が25%未満、重症ベッドの占有率が50%以下、東京都の感染者数が週100人以下。この数値に達した場合、専門家に諮問し、自粛などの解除や緩和などを総合的に判断する。
床面積1千平方メートル以上の市町村立などの博物館や美術館は、徹底した感染防止策を講じることを前提に、22日に休業要請を解除した。県立歴史と民俗の博物館(さいたま市)、川の博物館(寄居町)は26日から、展示室を再開する。一方、上尾市などの県内4カ所の水上公園レジャープールは、感染防止対策が難しいとして、今夏の営業は行わない。
■さいたま市も分散登校へ
さいたま市は22日、6月1日から市立学校の再開を決めた。市教委によると、再開に備えて5月27~29日に登校日を設け、学校ごとに児童生徒を3グループに分けて分散登校する。6月1日からも午前と午後に分けて分散登校する。
この日に開かれた同市の新型コロナウイルス危機対策本部員会議で、清水勇人市長が学校再開を指示した。博物館や文化施設についても、速やかに再開できるよう準備を進めるように指示が出された。
細田真由美教育長は会議後の取材で、学校再開の指示について「しっかり準備する。(学校再開は)本当にうれしい。子どもたちの声が学校に戻ってくると思うと、わくわくする。登校日は密にならないように、各学校が短時間で心身の観察や、学校再開に向けた話をするように準備をしている」と話した。
■川越市も再開へ
川越市は22日、一斉休校中の市立の小・中学校、高校、特別支援学校について、6月1日から学校を再開すると発表した。
小中学校については6月19日まで学年や学級、地区ごとの分散登校。5日までは週2回・1日2時間程度の授業、8~19日までは登校を午前と午後に分けた上で3時間程度授業を行う。22日から一斉登校で4時間授業、29日から通常日課の予定。
授業時間数を確保するため、夏季休業は8月1~16日に短縮。林間学校などの宿泊学習については本年度は中止し、修学旅行の実施は今後判断する。運動会、合唱祭などの学校行事は開催可。