埼玉新聞

 

謝罪…さいたま市、街路灯のLED化めぐり違反 議決を得ず不適正、6月に判明していた 新たに2件5契約も発覚

  • 【役所】さいたま市役所=埼玉県さいたま市浦和区常盤

    さいたま市役所=埼玉県さいたま市浦和区常盤

  • 【役所】さいたま市役所=埼玉県さいたま市浦和区常盤

 さいたま市の公衆街路灯発光ダイオード(LED)化事業の債務負担行為の設定が追加議決されずに地方自治法違反となっている問題で、市議会9月定例会の臨時本会議が27日開かれ、緊急質問が行われた。清水勇人市長が冒頭、不適正な状態に陥っているとして、「議員や市民の皆さまに大変なご心配をかけていることを心からおわび申し上げます」と謝罪した。全庁を調査した結果、新たに2件5契約で同様の事案を確認したと明らかにした。

 臨時本会議では、全7会派の代表と無所属2人の計9人が緊急質問した。市側は所管する市民局長らが答弁した。

 答弁によると、市は事業者と2019年2月~30年3月までの契約を締結。18年2月定例会で、24億6千万円の債務負担行為の議決を得た。街路灯の調査後、年度をまたいで変更契約を締結したのに、追加の議決を得ず、地方自治法違反の状態になっていた。市側は、変更契約の金額が当初の範囲内だったことから、局長ら幹部、担当者らがいずれも「議決を必要ないと誤認し、理解していなかったことが原因」と答弁した。

 また、10年分の新設・修繕費が20~22年度までの3年間で、毎年の維持管理費を上回り、上限額の3分の2に達していた。市側は20年度当初から超過を認識していたが、「後年度の支払いで調整できるとして、問題を先送りしていた」と説明した。

 追加議決を得ていない同様の事案は現時点で、保健衛生局の1件2契約、環境局の1件3契約で判明。財務局や監査事務局も確認不足を認めた。清水市長は「原因を究明し再発防止、信頼回復に向けて全力で対応していく」と述べ、市民局長は「研修、組織体制の強化を図る」と答弁した。

 6月下旬に判明後、市が議会に報告したのは今月15日だった。議会側は「一報を入れるべき」と指摘。市側は「経緯の詳細や事実確認を行って、正確に報告する必要があると考えた」とした。
 

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