埼玉新聞

 

<高校野球>埼玉独自の代替大会 花咲徳栄、浦和学院など監督ら「進路あり参加強制できぬ」「決断に感謝」

  • 運営委員会後、記者会見する県高野連の坂上節会長(右)と神谷進専務理事=27日午後、春日部高校

 第102回全国高校野球選手権大会ならびに地方大会の中止を受けて、県高野連は27日の運営委員会で独自の代替大会を8月に開催する意向を固めた。

 2017年の第99回大会で県勢初の全国制覇を果たし、夏の埼玉大会は5連覇中だった花咲徳栄の岩井隆監督は「やる理由もやらない理由もあったと思うが、やるという決断を下していただいたことに感謝。3年生には与えられた形の中で出し切ってもらえるように」と期待を込めた。

 それぞれの進路に向かって歩み始めている選手たちの表情に「もう一つの目標へかじを切り始めている。しっかり切り替えられる強い人間になってほしいが、簡単なことではない。そのフォローをしたい」と指導者側の責任を口にした。

 第75回大会(1993年)の準優勝を含め、夏の甲子園に5度出場している春日部共栄の本多利治監督は「甲子園という大目標がなくなった子どもたちの区切り。何もやらずに終わるより、次のステップに大きく踏み出せる」と歓迎する。

 「進路など個人の考えがあることだから、参加は強制できない。チーム内で子どもたちが納得する形でまとまることが大事。こういう大会があるけど、どうする?と問い掛け、うちは3年生を中心に考えさせたい」と話した。

 春夏合わせて21度、チームを甲子園に導いてきた浦和学院の森士監督は「これまでは大会まで全員が同じように動いてきたが、今回ばかりはそうもいかない。進路のことも加味して一人一人と相談したい。それを踏まえても、(大会開催は)一番望んでいたところ。実現のためにはこれ以上感染を拡大させないことが必要」と感染症対策の徹底を掲げた。

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