埼玉、医師少数県に 3カ所は少数、3カ所は上位…県内で格差 人口増加ペースに医師増のペース追い付かず
2019/02/19/00:00
厚生労働省は18日、現時点での各地域における医師の充足状況に関する都道府県順位を明らかにした。宮城を除く東北各県や、東京、神奈川、栃木を除き、埼玉を含む関東各県など16県を「医師少数県」と位置付け、確保策を重点的に実施する方針。
医師数は31万人超と過去最多を更新している一方で、へき地などに行き渡らない状況が続いている。同省は地域間格差を明確にした上で、適正配置への検討を本格化し、2036年度までの偏在問題解消を目指す。
埼玉県は指標が「178・7」で47都道府県中43位となり、医師少数県となった。県内10カ所の2次医療圏(全国335カ所)では、「秩父」(114・5、294位)、「利根」(122・8、282位)、「北部」(145・9、226位)の3カ所が、医師少数区域に入った。
一方、「川越比企」(227・4、78位)、「さいたま」(206・4、90位)、「西部」(197・1、102位)の3カ所が上位3分の1に入り、地域間格差が浮き彫りになった。
県医療人材課によると、埼玉県は人口10万人当たりの医師数が160・1人(2016年12月時点、全国平均は240・1人)と、全国一少ない。
同課は「埼玉は医師数が全国で9番目に多く、(14~16年の)増加数や増加率は全国3位だが、人口増加のペースに医師の増えるペースが追い付いていない」と話す。
医師少数区域の3カ所は、県でも医師確保が特に難しい特定地域に位置付け、対策に注力。主な取り組みとして、3地域の公的医療機関に9年間勤務すれば返済を免除する奨学金制度などを設けている。同課は「今回の指標を参考に、より実効性の高い対策に取り組んでいきたい」としている。