埼玉新聞

 

私は「毒母だった」…克服した心理カウンセラー、上尾で「毒親」語る 大事な5つのルールとは

  • 「毒親は不安でいっぱいなだけ」と話す高橋リエさん=上尾市の上尾公民館

 「毒親」「毒母」といった言葉でも語られることが増えた母と娘の関係性について学ぶ母娘講座(上尾市男女共同参画センター主催)が15日、同市の上尾公民館で開かれ、市内在住、在勤の女性20人が参加した。

 講師を務めたのは、自身も「アダルトチルドレン」であり、「毒母に育てられた毒母だった」と公言する心理カウンセラーの高橋リエさん。

 高橋さんは息子が不登校となったのを機に、「問題は子どもではなく私自身にあることに気付いた」という。その後、心理学や心理療法などを学び、母親との関係がトラウマ(心的外傷)となっていたことを受け入れ、克服してきた。

 「今の私と以前の私との大きな違いは、不安にならないこと。彼は大丈夫と息子のことを思えるようになった」

 高橋さんは「毒親とは、子どもの気持ちを思いやることができず、自分の不安を解消するために、子どもを自分の思い通りにコントロールしようとする親」と定義。その上で「誰も悪くない。ただ強迫観念にとらわれているだけ」と分析する。

 「親の本来の役目は心配することではなく、子どもを励まし、安心させて、温かく見守ること。子どもを喜ばせることが一番大切。子どもの様子をよく見ると、我に返る」と語った。

 そして、毒親にならないための五つのルールとして、自分の話ばかりせずに子どもの話をよく聞くこと▽子どもといる時に何か一つ褒めること▽温かい言葉を掛けること▽子どもの話をよく聞いて口を出さない▽親切を強要しないこと―と呼び掛けた。

 参加した50代女性は「自分の母親との関係で悩んでいた。八つ当たりばかりされてきた。一緒にいるとトラウマが現れる。少し距離を置き、良い関係を築きたい」と話していた。

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