運転免許更新、入学願書…県収入“証紙”今年度で廃止へ 埼玉県がキャッシュレス決済導入、移行対象は544種
埼玉県は2日、県証紙の廃止に伴う窓口のキャッシュレス決済を導入した。鴻巣市鴻巣の運転免許センターでは、運転免許更新の窓口に並んだ、来庁者から「キャッシュレス決済開始を知らなかった」「初めて操作したが簡単にできた」「年配の方は大丈夫かな」などさまざまな声が聞かれた。県証紙は来年1月以降販売されなくなるため、県は「キャッシュレス決済の手段をあらかじめ用意してほしい」と呼びかけている。
キャッシュレス決済の対象となるのは運転免許証の更新やパスポートの発行、納税証明書の交付手続きなど544種。証紙を利用して申請を受け付けている県庁や地域機関の窓口などで実施する。
利用可能になる支払い方法は、クレジットカード、電子マネー、コード決済、デビットカードの4種類。来年1月以降は窓口で現金の支払いができなくなり、キャッシュレス決済ができない場合は、コンビニエンスストアや金融機関で決済しなければならない。
運転免許センターで行っている運転免許証更新手数料などの支払いもキャッシュレスになった。窓口で支払いをした蓮田市の女性(60)は「たまたまホームページを検索した時に、キャッシュレス決済開始のことを知った。普段買い物でもキャッシュレスで支払いをしているが、ここに来るまでは使いこなせるか不安だったが簡単に操作できて便利」と話したが、「高齢の方は大丈夫かなと思う」と懸念した。
熊谷市の男性(21)はキャッシュレス決済開始を知らず、この日は現金で支払った。来年1月以降、県証紙の販売がなくなることについて、「(キャッシュレス決済か、県証紙の販売か)選択できたらよいと思う」と語った。
県証紙は今年12月末まで購入、利用ともに可能で、来年1~3月は利用のみ。同年4月からは利用不可となり、未使用証紙について2028年12月末まで還付手続きを受け付ける。
県によると、コンビニや金融機関で直接現金で支払いができるような手段を用意しているが、窓口でのキャッシュレス決済よりも時間や手間を要するという。県出納総務課の担当者は「来年1月以降、窓口で『知らなかった』『キャッシュレス手段がない』などトラブルにならないように、今のうちから窓口に来た方には直接説明をするなど事前周知を行っていく」としている。