男女5人を逮捕、不正に9億円集めたか 投資セミナー開き、参加者にコメ卸売出資募る 当初配当金も/県警
2020/06/04/00:00
コメ卸売事業への出資を持ち掛け、違法に現金を集めたとして、県警生活経済課と刑事総務課、浦和署は3日、出資法違反(預り金の禁止)の疑いで秩父市下影森、会社役員の男(37)ら男女5人を逮捕した。県警は、関東圏の出資者を中心に約9億円を不正に集めたとみて捜査を進めている。
逮捕容疑は2017年7月~18年4月ごろまでの間、県内や都内などに住む30~50代の男女7人に「農家から直接コメを仕入れて消費者に提供する事業に投資すれば、配当金を支払うことができる」などと持ち掛け、現金計5千万円を預かった疑い。
同課によると、男が事業の統括管理役を務め、他の4人は出資者の勧誘や配当金の管理などを担当していたという。
5人は都内で仮想通貨など投資全般に関するセミナーを開き、その参加者をコメの投資に勧誘。「農協を介さないので、仲介料を省くことができる」などとうたい、出資を募っていたという。セミナーの参加者らを秩父市内の観光に誘い、コメの保管倉庫の見学なども行っていた。当初は配当金もあったという。
18年11月、都内の40代会社員女性が秩父署に「コメ事業に投資したが配当金が滞っている」と相談して発覚。昨年7月には、県警が男の自宅や倉庫などを捜索し、契約書やパソコンなど約400点を押収していた。
県警は男らが17年7月~18年12月までの間、男女47人から現金計約8億8千万円を不正に預かったとみて詳しく調べる。