<新型コロナ>疫病退散を願い、電車に妖怪アマビエ 秩父鉄道がヘッドマークにデザイン、不定期に運行
疫病除けにまつわる伝説を持ち、新型コロナウイルス感染の広がりとともに、にわかに人気者となった妖怪アマビエ。秩父鉄道(本社・熊谷市)は、アマビエを配したヘッドマークを付けた車両を4月23日から不定期で走らせている。新たな伝説は生まれるだろうか。
4日午後0時48分。「アマビエ」を付けた7500系車両が熊谷駅に到着した。「アマビエ」の隣には、アマビエに扮した秩父鉄道のキャラクター「パレオくん」が並び、そろって疫病退散を願うデザインになっている。
1日から再開している学校が多く、授業を終えた生徒たちが次々に降りてくる。
何人かに聞いたが、乗っていた電車が「アマビエ」ヘッドマークを付けていたことを知る人はいなかった。
不定期運行のため、「アマビエ」号はなかなかお目にかかれない。例えば4日の場合、午前11時46分熊谷発羽生行きと午後0時24分羽生発熊谷行き、午後3時40分熊谷発三峰口行きと午後5時20分三峰口発影森行きといった運行だった。「アマビエ」ダイヤは前日夕方に決まるが、「運用は急きょ変更になる場合もある」というからなおさらだ。
情報の発信元になることが多い女子高校生たちも知らなかったが、ヘッドマークを見てもらうと、「きゃあー、かわいい!」。
アマビエが瓦版に登場したのは1846年(弘化3)年4月中旬。肥後国(熊本県)の海中に毎夜、光るものがあるので、役人が行ってみるとアマビエが現れた。「当年より6カ月は豊作となるが、もし流行病がはやったら人々に私の写しを見せるように」と言って海中に没した。瓦版には役人が写した図がある。髪の毛が長く、くちばしを持った人魚のようなアマビエの姿が描かれている。
さて令和の「アマビエ」。全国あちらこちらで出没しているようだが、熊谷でヘッドマークを見ると健康が続く―。新たな伝説が、秩父鉄道沿線女子高生の会員制交流サイト(SNS)で広がる日は近い?