埼玉新聞

 

【動画】「わたしたち」を見る65日間 さいたま国際芸術祭きょう開幕 日々変化する会場、各地でアートプロジェクト

  • 芸術祭のオープニングを飾るテリー・ライリーさんによるリハーサルの様子を透明の板越しに眺める人たち=6日午後、埼玉県さいたま市大宮区の旧市民会館おおみや

    芸術祭のオープニングを飾るテリー・ライリーさんによるリハーサルの様子を透明の板越しに眺める人たち=6日午後、埼玉県さいたま市大宮区の旧市民会館おおみや

  • ポートレート・プロジェクトの作品は縦2メートル、横2メートル。休館日以外は連日、展示替えする。右は担当した川島拓人さん

    ポートレート・プロジェクトの作品は縦2メートル、横2メートル。休館日以外は連日、展示替えする。右は担当した川島拓人さん

  • 芸術祭のオープニングを飾るテリー・ライリーさんによるリハーサルの様子を透明の板越しに眺める人たち=6日午後、埼玉県さいたま市大宮区の旧市民会館おおみや
  • ポートレート・プロジェクトの作品は縦2メートル、横2メートル。休館日以外は連日、展示替えする。右は担当した川島拓人さん

 さいたま国際芸術祭2023が7日、埼玉県さいたま市大宮区の旧市民会館おおみやをメイン会場に開幕する。テーマは「わたしたち」。長年親しまれた劇場が再び開かれ、現代アート、写真、盆栽の展示、演劇、演奏会、映画の上映などが行われる。会場内は連日変化し、鑑賞者一人一人の行動により、芸術祭の見え方が生まれ、固有の体験になるという。市民参加型も特徴で、アートプロジェクトが市内各地で展開される。

 開幕前の内覧会が6日、メイン会場で行われ、ディレクターを務める現代アートチーム・目[mé]の南川憲二さん(44)は「気候変動、戦争、分断など人類的課題が切迫する現代社会の中で、いかに私たち自身をもう一度見つめることができるかを問うた」。連日のように展示替えが行われ、作品の説明や順路はない。南川さんは「会場は連日、めくるめく変化をしていく。鑑賞者の行動で、一人一人の鑑賞体験が生まれる芸術祭にしようと構成した」と話した。

 会場は透明の板によって仕切られ、「導線」を構成。鑑賞者は楽屋裏など普段は入れない場所に入場できる。透明の板は「窓」のような機能となり、空間に「向こう側」が生まれ、単なるほうきやちり取りが見るべき対象にも変化するという。窓を通して、ホールの舞台稽古や準備、リハーサルも連日公開する。

 市民を撮影したポートレート・プロジェクトの作品は縦2メートル×横2メートル。海外のプロ写真家2人と小学4年生の撮影した写真が展示される予定で、休館日の月曜日を除いて毎日入れ替わる。担当した編集者の川島拓人さん(37)は「1日1点限り。目が合う瞬間はこの人のことを考える。その人を考えさせる写真をセレクトした」と話していた。

 参加するのは海外出身13組、国内出身16組、市民文化団体11組の計40組。初日は音楽家テリー・ライリーさんのコンサートが開かれる。

 会期は12月10日までの65日間。メイン会場の1DAYチケットは一般2千円、市民1500円。フリーパスは一般5千円、市民3500円。高校生以下、障害者手帳所有者と付き添い1人は無料。詳しくは公式ホームページ(HP)へ。

 同芸術祭は3回目。16年に第1回を開催。20年の第2回は新型コロナウイルスの影響を受け、規模を縮小した。

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