埼玉新聞

 

1クラスを2教室に分け、先生1人で同時に授業 映像活用、寄居の男衾中 先生が教室を行き来、生徒に好評

  • 間隔を空けモニターを見ながら授業を受ける生徒

  • 教卓にパソコンを置き授業を進める教諭

 寄居町は今月から通常授業を再開している。町立男衾中学校(市川篤史校長、生徒数221人)は1クラスを2グループに分け、ビデオやタブレットパソコンを使って2グループが同時に授業を受けている。授業の様子を取材した。

 新型コロナウイルス感染症防止策で、私立高校や学習塾などで取り組んでいるオンライン授業を参考にしたという。余裕教室などを利用して少人数にし、コロナの第2波などにも備えていく。

 同校は各学年2クラスずつ。クラスで使用する映像機は校内にあるビデオかパソコンのいずれかで、先生はいつも通り授業する。その様子を教室の後ろに設置したビデオ、教卓の上に置いたパソコンの機能を活用し、もう一つの教室に備えられたモニターやスクリーンに映していく。スピーカーもあるので説明も聞ける。また、2グループは常に隣同士とあって先生も両教室を行き来しながら授業が進められ、分散授業と違い1回の授業で済む。

 2教室同時の授業は、近隣自治体の分散登校に合わせて今月19日までを予定。ビデオの映像が途切れたり、スクリーンが光って見えづらいなどの問題点もあるが、試行錯誤で授業時間を確保したいとしている。

 3年生の興津大翔さんは「一緒に登校して同じ授業を受けることは良いこと」、同じく3年生の久保田優衣さんも「友達との席が離れている分、集中力が高まります」と授業が楽しそう。

 市川校長は「学校に来たい、授業を受けたいという生徒の気持ちを職員同士で協力し新しい生活様式でチャレンジすることができた。より良いものにしていきたい」と話している。

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