<新型コロナ>9人集団感染の川口市保健所、会議で感染広がる 全職員の4割が自宅待機、感染源は不明
2020/06/11/00:00
川口市保健所で4月に起きた新型コロナウイルスの集団感染について、市の依頼で調査した防衛医科大学校医学研究センターの加来浩器教授が「4月3日の職員会議を通じて感染が広がったと推察できる」と結論付けていたことが分かった。10日の市議会本会議で稲川和成市議の一般質問に、奥ノ木信夫市長が答えた。
市保健所では4月12日に最初の感染者が判明し、次々と陽性者が現れ、計9人が感染する事態になった。
稲川市議の「集団感染の検証がどのような結果になったのか」と質問に、奥ノ木市長は「加来氏の検証では、保健所内の集団感染の発生状況を時系列で捉え、感染拡大につながった可能性の高い状況を分析したところ、感染源は明確に特定できなかったが、4月3日の所内職員会議の参加者から多くの患者が発生しており、この会議を通じて感染が広がったと推察できるとのことだった」と答弁した。
市保健所によると、職員会議は毎月1度開く定例の会議で、4月3日の会議には所長や課長、係長ら管理職24人出席。うち7人が感染した。出席していなかったが所内ではほかに2人が感染した。
集団感染の発生により、市保健所は全職員の約4割に当たる34人(感染者9人、所長を含む濃厚接触者25人)が自宅待機などになった。
このため、市は業務の一部を市保健所から人材育成センターに移すなど業務の分散化を図ったり、職員約30人を応援に充てた。