息子重体に…怒鳴る母親、おねしょに立腹し暴行 懲役9年求刑 夫「妻に子育て任せっきりに」…母親が涙
2020/06/11/00:00
草加市の自宅で2017年9月、長男(7)の背中を突き飛ばし重体となるけがを負わせたとして、暴行と傷害の罪に問われた無職の母親(27)の初公判が10日、さいたま地裁(一場修子裁判長)で開かれた。母親は「間違いありません」と起訴内容を認め、検察側は懲役9年を求刑して即日結審した。判決は25日。
検察側の冒頭陳述によると、母親は16年秋ごろから、言うことを聞かない長男に大声で怒鳴ったり、顔や手足を殴るなどの暴行を加えるようになった。17年9月には、おねしょを繰り返す長男に腹を立て何度も暴行し、全治不詳の傷害を負わせた。事件当時、母親は夫と実父の4人暮らしで、長男は夫の連れ子。長男は現在、全介助が必要な重症心身障害児として、県内の施設に入所している。
証人尋問で母親の夫は「子育てを妻に任せっきりにしてしまった自分にも責任がある。事実をしっかり受け止めて、家族一丸となって長男のケアに努めたい」と話した。
検察側は論告で、「友人や児童相談所職員から何度も忠告を受けていたにもかかわらず、受け入れなかった。おねしょをしたなどの理由だけで、一方的に暴行を加えたことは極めて卑劣」と指摘し、懲役9年を求刑した。
弁護側は最終弁論で、「母親の夫や実父が再び犯罪を犯さないように監督すると約束した点、母親には2人の子どもがいる点などを踏まえ、寛大な判決をお願いしたい」と話した。
母親は最終意見陳述で「私の身勝手で、子どもに不自由な思いをさせてしまって申し訳ない」と涙ながらに謝罪した。
起訴状などによると、母親は、17年2月に長男の胸を両手で突き飛ばして床に転倒させ、同年9月には、長男の背中を両手で突き飛ばし、頭を壁にぶつけ急性硬膜下血腫の傷害を負わせたなどとされる。