熱中症の疑い、秩父の女性死亡 自宅寝室で同居の兄が発見 エアコン使用されず、埼玉で今年初の死者
2020/06/14/00:00
県は13日、熱中症の疑いで秩父市の女性(56)が死亡したと発表した。県消防課によると、女性が自宅寝室の布団の上であおむけの状態でぐったりしているのを同居の兄が発見。12日午後5時半ごろ119番し、搬送先の病院で女性の死亡が確認された。発見時、女性の呼吸と意識はなかったという。熱中症の疑いで死者が出たのは県内で今年初めて。
同課によると、女性は兄のほかに母、姉と4人暮らし。女性が発見された自宅1階の寝室は窓が閉め切られ、エアコンも使用されていなかったという。
熱中症の疑いによる同日の県内の搬送者は27人。今月1~12日の搬送者数は191人に上る。昨年は6月1カ月の搬送者数が215人だったことから、同月1日当たりの搬送者数は前年を上回るペースで推移している。死者が出たのは今年初めて。昨年は5月27日に1人目の死者が出た。気象庁によると、12日の秩父の最高気温は30・5度(午後2時40分)だった。
県では、まだこの時期は体が暑さに慣れていない上、マスクを着用すると熱がこもりやすく、喉の渇きに気付きにくいと注意を喚起。新型コロナウイルス感染症流行期における熱中症予防の備えとして、エアコンの上手な使用と小まめな換気、早めの水分補給に加え、体調不良時には周囲へのSOSや県の救急電話相談「#7119」への連絡などを呼び掛けている。