<和光の男性遺体遺棄>盗難車を利用し遺体を運搬、容疑の少年ら2人を逮捕 仲間で何らかのトラブルか
和光市の駐車場の車内で5月、住居職業ともに不詳の岩渕和政さん(31)の遺体が見つかった殺人死体遺棄事件で、県警は13日、岩渕さんの遺体を遺棄したとして、死体遺棄の疑いで、川越市清水町、無職の男(23)、東京都台東区の無職少年(19)を再逮捕した。男らと岩渕さんは詐欺グループの仲間で、何らかのトラブルがあったとみられる。県警は2人が殺害に関与した可能性もあるとみて詳しく調べる。
再逮捕容疑は4月14日早朝、和光市白子2丁目の月決め駐車場に、岩渕さんの遺体を積んだ軽貨物自動車を放置した疑い。県警は共犯事件として認否を明らかにしていない。
捜査関係者などによると、県警は3日、この事件に関連し、男と少年のほかに、複数人の男を詐欺や詐欺未遂容疑で逮捕していた。現場周辺の防犯カメラの精査や遺棄された車の鑑識活動などから、男らが岩渕さんの死体遺棄に関与した疑いが浮上した。
県警朝霞署捜査本部によると、車は盗難車で、東京都板橋区内の会社から盗まれたものだった。男らは盗難車を利用し、岩渕さんの遺体を和光市の駐車場まで運搬。そのまま車ごと放置したとみられる。岩渕さんは別の場所で殺害され、2人によって運ばれた可能性が高いという。
岩渕さんの遺体は5月10日午後2時40分ごろ、通報を受けて駆け付けた警察官が発見した。捜査関係者などによると、首や背中など複数カ所を刺されており、司法解剖の結果、死因は失血死だった。遺体は毛布のようなもので包まれ、上からテープが巻かれていた。車内からは血の付いた包丁も発見されている。
岩渕さんは2019年2月ごろ、親族らに「埼玉の方で仕事をする」と告げて出身地の大分県を離れた。しかし、今年4月14日以降、連絡が取れなくなっていた。
県警は男らと岩渕さんの関係や詐欺事件についても引き続き調べる。