危ない…交通量多い道に盲目女性 家族と車にいた女子中学生、車から降りて女性の手を取る 大人2人も協力
2020/06/23/00:00
鴻巣署(佐藤誠一署長)は22日、青信号で横断歩道を渡り切れなかった鴻巣市の60代の盲目女性を介助した交通事故防止功労で、同市居住の川里中学校3年生藤村乙葉さん(15)と、さいたま市居住の鴻巣保健所職員蘭(あららぎ)美菜子さん(23)、鴻巣市居住の派遣社員篠田利恵さん(63)の3人に同署で感謝状を贈った。
同署などによると、藤村さんは2日午後5時40分ごろ、祖父が運転する車に同乗して鴻巣市東4丁目の国道17号を北本市方面に向かっていた。鴻巣署前交差点で信号待ちしていたところ、横断歩道を青信号で渡り切れない白杖(はくじょう)を持った女性を発見。「危ない」ととっさの判断で車を降り、女性の手を取り、横断し終えるまで介助した。
その状況に接した歩行者の蘭さん、自転車で通り掛かった篠田さんも駆け寄り、協力し合いながら歩道上に女性を移動させて安全を確保した。横断歩道の長さは約16メートル。女性は半分(約8メートル)ほど歩いたところで信号が変わりかけていた。交通量が多い時間帯だけに、危ない状況だった。
市外のバレーボールクラブに向かう途中だったという藤村さんは「おばあちゃんは目が見えないようで、会話もほとんどできなかった。助けられてよかった」と振り返った。蘭さんも「藤村さんの行動を見て、私も力になろうと思った」と話した。
篠田さんは都合で感謝状の贈呈式には出られなかった。佐藤署長は「勇気と思いやりのある3人の行動で、悲惨な交通事故の発生を防止することができた」と感謝した。