埼玉新聞

 

「稼げる」誘い文句に乗らないで…サイバー犯罪、検挙者の半数超が10~20代 2023年上半期、埼玉県警

  • 埼玉県警サイバー対策課公式X(旧ツイッター)に投稿された闇バイトに関する啓発

    埼玉県警サイバー対策課公式X(旧ツイッター)に投稿された闇バイトに関する啓発

  • 埼玉県警サイバー対策課公式X(旧ツイッター)に投稿された闇バイトに関する啓発

 埼玉県警が2023年1~6月に受理したサイバー犯罪に関する相談件数は6337件で、前年同期より1143件減少したことが分かった。ネットショッピングサイト事業者などによるセキュリティー強化の対策などが奏功したとみられる。一方、サイバー犯罪に関する検挙件数は291件と10件増加。若年層が半数を占め、交流サイト(SNS)などで募集されている「闇バイト」に加担したとみられるケースも。県警は「簡単に稼げる」といった誘い文句に乗らないよう注意を呼びかけている。

 県警サイバー対策課によると、相談の内訳はネットショッピングサイトで購入した商品が届かないなどの「詐欺・悪質商法」が前年同期比206件減の2592件で最多。次いでクレジットカードの情報を不正に使われた「クレジットカード犯罪」が1131件(同230件減)、架空請求などの「迷惑メール」が1008件(同89件増)などと続き、この三つを合わせると全体の約7割を超えた。

 一方で「不正アクセス」は、ショッピングサイト運営事業者などによる対策が行われたことなどが影響し、774件減の549件と大幅に減少。

 しかし、金融機関を装ったメールやショートメッセージサービス(SMS)から偽サイトに誘導し、パスワードなどを入力させて個人情報を詐取して不正に送金を行うネットバンキング型のフィッシング詐欺は増加傾向にあるとして、同課は正規のメールと見分けるのは困難とする認識を持った上で、誘導に乗らず公式アプリやサイトから手続きを行うことを推奨している。

 サイバー犯罪の検挙件数は10件増の291件。検挙者数は6人減の185人で、10~20代の若年層だけで98人と全体の53%を占めた。SNS上では副業などと称したアルバイトの募集などが散見され、中には犯罪に加担させるケースも目立つという。

 6月には、架空サイトから詐取された他人名義のクレジットカード情報を悪用し、フリーマーケットサービス「メルカリ」で架空に出品した商品を不正に購入し、代金計約275万円をだまし取ったとして男女4人が逮捕された。4人はSNSの副業募集に応募しており、指示役からカード情報の提供を受けて犯行に及んだとみられる。

 同課などはほかにも、他人のクレジットカードで商品を購入し転送する▽契約したスマートフォンを売り渡す▽フリーマーケットサービスなどに関して「〇円でアカウント情報貸してください」―などの副業募集はトラブルに巻き込まれる可能性が高いとして、「簡単に稼げる」などの誘い文句の裏に犯罪が潜んでいる可能性を認識し、加担しないよう呼びかけている。

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