埼玉新聞

 

埼玉に住むべき理由、いいとこ取りできる暮らし人気 大宮で“移住”の魅力に迫る「余計な出費が減った」

  • 移住の体験を通して埼玉の魅力を語り合ったセミナー=さいたま市大宮区

    移住の体験を通して埼玉の魅力を語り合ったセミナー=さいたま市大宮区

  • 移住の体験を通して埼玉の魅力を語り合ったセミナー=さいたま市大宮区

 少子高齢化や人口減少の課題解決のため、移住や2拠点居住先に県内を選んでもらおうと埼玉県さいたま市大宮区の武蔵野銀行本店地域創生スペースで14日、「埼玉県移住セミナー」が開催された。会場とオンラインを合わせて20人の移住希望者らが参加した。

 県と武蔵野銀行が共催したセミナーは、「食」を視点に観光学の第一人者の村上和夫立教大名誉教授の進行でトークセッションなどを行った。移住を経験した横瀬町地域おこし協力隊の福田春加さん、入間市の茶園代表的場龍太郎さんらを講師に招き、埼玉での暮らしの魅力を語り合った。

 食品会社勤務だった福田さんが横瀬町に移住を決めたのは約2年前。地域おこし協力隊の元メンバーと出会ったのがきっかけだった。希望職種の求人があったことに加え、町民のおおらかさや行政との密接な距離感が気に入ったという。職場への通勤時間も以前の1時間から5分程度に大幅に短縮。精神的に豊かになり「余計な出費が減った」と話した。

 結婚を機に入間市の妻の実家の製茶工場に就農した的場さんは地域の伝統産業に関わることで「自己肯定感や責任感が育まれた」と自らの体験談を披露。「地域に深く関わり、現状を直接的に変えていけるのが楽しい」と魅力を語った。

 村上教授は「移住先にスムーズになじむためにも、体験者の知識やスキルを集約した情報バンクを立ち上げるのが有効では」と提案。移住に関する各種相談に乗っている認定NPO法人ふるさと回帰支援センターの鎌田圭子相談員は「都会と田舎暮らし両方のいいとこ取りができる埼玉は人気が高い。移住支援金を出す自治体もあるので気軽に相談してほしい」と話していた。
 

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