心ない人が…加須市民ら大事にしてきた「珍しい3県境」荒らされる カメラ台など破壊「残念でならない」
2020/06/26/00:00
栃木、群馬、埼玉の3県が接する観光名所「3県境」で、訪問者用のいすとして使われる丸太やカメラ台が破損し、記念のスタンプがなくなっていることが25日、栃木県栃木市や加須市への取材で分かった。栃木市によると、現場にはタイヤ痕があり、栃木署は事故やいたずらの疑いがあるとみて調べている。
■心ない人が…地元住民嘆き
「3県境」は、加須市小野袋の「道の駅かぞわたらせ」から450メートルほどの場所にある。周囲は田んぼや畑が広がる。道の駅に車を置いて徒歩で訪れる人が多い。25日は、「3県境が荒らされた」というニュースを知り、駆け付けた人もいた。
群馬県板倉町の会社員男性(48)は「やってどうするのか。心ない人がいるんだなあと、残念に思う」と話した。3県境は全国に40カ所以上あるが、気軽に3歩で回れる3県境はここだけ。地域も含め、皆で大事にしてきている。
維持管理を担当する加須市の職員は「観光スポットとしての整備は2018年4月から。翌月の5月から加須市で記念スタンプを作って置いていたが、今回、なくなっていた。きょう(25日)、栃木署に被害届を出した」と話す。
スタンプの図案には3県境の緯度と経度、栃木市、板倉町、加須市の名前が入っている。丸型で直径8センチ。設置場所にはスタンプ台と用紙のみが残されていた。
担当の職員は「3県境を多くの方が楽しみに来てくださっている。こうした悪質なことは残念でならない。今後も3市町で管理していくが、スタンプは同じ図柄のものを用意しようと思う」と話していた。