埼玉新聞

 

透明シート、舞台と客席の間に 換気で休憩も…川口の劇団、新しい上演の形模索【#コロナとどう暮らす】

  • 「麺麭屋文六の思案」の通し稽古。舞台と客席の間に透明シートを設けた部分がある=26日午後、川口市の劇団キンダースペースアトリエ

 川口市を拠点に活動する劇団キンダースペースが、緊急事態宣言解除後初となる公演を30日から同市西川口の同劇団アトリエで行う。席は最大40人のところを半分の20人に限定。さらに舞台と客席の間に透明シートを設けるなど感染防止対策を行う。劇団代表の原田一樹さん(63)は「ある意味、コロナと一緒にやっていかなければいけない。方向を探りながら、新しい上演の形をつくりたい」と話している。

 アトリエは客席と舞台部分が約40平方メートルで、観客との距離が近いのが特徴。そのため最前列は使用せず、客は間隔を空けて座る。さらに、役者が客席に向かって声を出す位置2カ所に、幅1・2メートルの透明シートを下げている。上演時間は約1時間45分の予定だが、換気のため、3回の休憩を入れる。ほかにもマスクの着用、入場時には検温や手指の消毒を行うなどの対策を実施。希望者にはフェースシールドの貸し出しも行う。

 演出を行う原田さんは「シートは照明が反射するし、休憩はスマートではない。でも当面は模索しながらやるしかない。対策を精いっぱいやりながら、創作の場を維持していきたい」と語る。

 演目は「岸田國士の夢と憂鬱 その一ジレンマの夜」。劇作家・岸田国士の「麺麭屋文六の思案」「留守」など3作を連続上演する。地元ファンから反響があり、昼夜9公演のうち、すでに昼の部は売り切れ状態という。

 公演は7月5日まで。チケットは前売り3千円。川口、蕨、戸田市の在住者は市民割引あり。問い合わせは、同劇団(電話048・252・0551)へ。

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