埼玉新聞

 

5年ぶり「エンエンワ」 地域の安寧祈り氏子総出で伝統の神事 埼玉・小川、小学生も白装束で大役果たす

  • 先達が全国の神々の名を一つ唱えるたびに、お供え物を投げて「エンエンワー」と唱えながら神社周辺を巡る氏子たち=15日午後2時38分ごろ、埼玉県小川町上古寺の氷川神社

    先達が全国の神々の名を一つ唱えるたびに、お供え物を投げて「エンエンワー」と唱えながら神社周辺を巡る氏子たち=15日午後2時38分ごろ、埼玉県小川町上古寺の氷川神社

  • 先達が全国の神々の名を一つ唱えるたびに、お供え物を投げて「エンエンワー」と唱えながら神社周辺を巡る氏子たち=15日午後2時38分ごろ、埼玉県小川町上古寺の氷川神社

 埼玉県小川町上古寺の氷川神社に古くから伝わる秋祭りの神事「エンエンワ」が15日、5年ぶりに実施された。秋の例祭は「御九日(おくんち)」といい、古くは9月19日に行われていたが、明治に入ってから10月19日に変わった。現在は第3日曜日に実施されてきたが、コロナ禍で4年間中止されていた。

 エンエンワは「地域に何事もなく平穏無事に暮らせるように」との願いを込め、氏子総出で行う。今年は上組が当番組。午後2時から社殿で祭典が行われ、その合間に白装束の荒井楓向さん(大河小6年)と井上春太さん(同)が、先導役に従って、社殿の脇と裏側にある18の末社に順番に「献膳」を行った。

 この後、氏子たちは白の紋付き袴で正装した先達の佐藤佑治さん(68)を先頭に並び、境内を出発。先達が全国71の一宮の神々の名を、一つ大声で唱えるたびに、後に続く盆を持った氏子が、お供え物(赤飯と米の粉で作ったシトギ)を、茅(かや)の箸で投げると、全員で「エンエンワー」と唱えた。それを71回繰り返しながら神社の周囲を一巡りして行事を終えた。

 上組総代の吉田正雄さん(82)や、当家の吉田義孝さん(64)は「しばらく中止していたが(地域に伝わる伝統の神事を)実施できて良かった」とほっとした表情で話していた。

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