埼玉新聞

 

秩父在来種の大豆“借金なし”で中学生がみそ造り「収穫量多くすぐに借金返せる大豆」 生徒「貴重な体験」

  • 中嶋明美さん(右)からみそ玉の作り方を学ぶ生徒たち=秩父市下吉田の市立吉田中学校

 秩父市下吉田の市立吉田中学校(井上淳一郎校長、生徒128人)で19日、1年生41人が秩父在来種の大豆「借金なし」を使って、みそ造りを行った。総合的な学習の時間に農業体験活動として本年度から栽培し、収穫した大豆を使用。大豆をつぶしたり、みそ玉を作る作業を体験し、みそ造りの方法を学んだ。

 みそ造りは日本食への理解を深めることなどが目的。借金なしは「収穫量が多く、すぐに借金を返すことができる大豆」として秩父地域で古くから栽培されており、甘みやこくが強い。「借金なし」を栽培している地元の農家中嶋新さん(71)、明美さん(67)夫妻が講師となり、生徒は種まきから栽培に取り組んだ。

 生徒が同校の校門前で昨年11月に収穫した「借金なし」の大豆30キロのうち、10キロを使用。釜ゆでして袋に入れた大豆を手でつぶし、塩や米こうじ、種みそを加えて混ぜ合わせた。力を込めてみそ玉も作り、空気を抜くために容器の中に投げ入れた。中嶋さん方で保管されるみそは12月に完成し、給食でみそ汁として味わう。

 体験を終えた新井理希君(13)は「楽しかった。みその造り方も勉強になった」、金原理桜さん(12)も「普段はできない貴重な体験で、みそ造りはたくさんの作業があって大変なことが分かった。みそになるのが楽しみ」と語った。明美さんは「生徒が一生懸命にやってくれて、とてもうれしかった」と話していた。

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