フェースシールド着用で声援 応援グッズ求め自宅観戦 浦和と大宮がホーム初戦【#コロナとどう暮らす】
サッカーのJ1浦和とJ2大宮は4日、今季のホーム初戦を迎えた。新型コロナウイルスの影響で共に無観客開催となったが、両チームのサポーターらは本拠地での試合を喜び、スタジアムの外から選手たちに熱い声援を送った。
■画面越しに歓声
浦和好きが集うことで知られるさいたま市浦和区の居酒屋「酒蔵『力』浦和本店」では4日、リーグ再開を待ちわびた大勢のサポーターが集まり、試合中継の画面越しに歓声を送った。
この日の開店は午後3時。店内ではこれまでの試合の映像が流され、試合と飲食を楽しむサポーターが徐々に熱を帯び始める。同店入り口には感染防止のため、フェースシールドの着用を促す案内や、「ハイタッチはエアタッチで。かけ声は控え目でお願いします」のメッセージも張り出された。同店の今井俊博店長は、「お客さまの出足はこれからといったところですが、ようやく始まりました。ご来店いただいた皆さまには、久しぶりのお店での再会を楽しんでいただいているようです」と笑顔を見せる。
午後5時ごろには店内は赤いレプリカユニホームを着た人々でほぼ満席に。出場選手が発表され、午後7時すぎにキックオフを迎えると、少しだけ控えめな声援が響き、画面越しに見える選手たちにそれぞれの思いが届けられた。
10年来のサポーターで、友人とともに久しぶりにお店を訪れたという浦和区の武藤清さん(71)は「ようやく再開された。今後、試合がどうなるか分からないが、優勝を目指して頑張ってほしい」と話した。
■いつかスタジアムに
さいたま市大宮区のクラブショップ「オレンジスクウェア本店」には、大宮サポーターが正午の開店から応援グッズを求めて訪れた。
同店では昨季まで、大宮の全試合を店内モニターで生中継し、アウェーの試合には40~50人のサポーターが押し寄せていた。今季は密を避けるため当面、中止にした。
サポーター歴22年で、ホーム全試合をスタジアムで観戦してきたという見沼区の沢野豊さん(66)は「コロナの状況を考えると今季は中止と思っていた。大宮で試合ができうれしい」とキックオフが待ち切れない様子。
クラブでは無観客開催のため、スタジアム周辺への来場禁止をSNSなどで呼び掛けた。大宮区の会社員福元奈津子さん(44)は「雰囲気を味わいたいが、迷惑掛けたくないので自宅で観戦します」、会社員で夫の政勝さん(56)は「声出しやタッチができないので、新しい応援の仕方がこれから必要」と話す。
11日からはガイドラインに基づき、最大4千人を収容して試合を行う。見沼区の薬剤師、遠藤啓之さん(38)は「異例のシーズンだが、今季こそJ1に昇格してほしい」とエール。長男で小1の碧人くん(7)は「いつかスタジアムに行って応援したい」と願っていた。