埼玉新聞

 

<和光の男性遺体遺棄>殺人の疑い、19歳少年を再逮捕 拠点から血痕…詐欺仲間同士でトラブルか/県警

  • 殺害現場のマンションを家宅捜索する県警の捜査員ら=6月3日午後2時半ごろ、東京都板橋区上板橋3丁目

 和光市の駐車場の車内で住所職業いずれも不詳の岩渕和政さん(31)の遺体が見つかり、少年を含む男2人が死体遺棄容疑で逮捕された事件で、県警朝霞署の捜査本部は5日、岩渕さんを殺害したとして、殺人の疑いで、2人のうち東京都台東区の無職少年(19)を再逮捕した。岩渕さんと少年らは特殊詐欺グループの仲間で、東京都板橋区内のマンション一室などを拠点に活動。室内からは岩渕さんの血痕が見つかった。県警は仲間同士で何らかのトラブルがあり、この場所で殺害された後、車で和光市内の駐車場に遺棄されたとみて調べる。

 再逮捕容疑は4月13日から翌14日早朝までの間、板橋区上板橋3丁目のマンションの一室で、岩渕さんの上半身を刃物のようなもので複数回突き刺すなどして殺害した疑い。少年は「今は何も言いたくない」と認否を留保しているという。

 捜査関係者によると、遺体が遺棄された車内には血の付いた包丁が残されており、鑑定の結果、岩渕さんと少年の血だったことが判明。岩渕さんの背中や首に複数の傷があり、腕には抵抗した際にできる防御創があったという。

 捜査本部によると、犯行時、マンション内には岩渕さんと少年のほか、川越市の無職の男(23)=死体遺棄と窃盗、詐欺罪で起訴=もいたが、県警は供述や現場の状況などから、男は殺害には関わっていないと判断した。

 県警は6月3日、殺人事件の捜査の過程で浮上した板橋区のマンションなど都内の複数箇所を一斉に摘発。詐欺や詐欺未遂容疑で、少年と男を含む男7人を逮捕した。その後も新たに2人の関与が分かり、これまでに10~30代の男計9人を逮捕。多くがうその電話をかける「かけ子」とみられる。

 6月13日には、岩渕さんの遺体を乗せた車を和光市白子2丁目の駐車場内に放置したとして、死体遺棄容疑で、少年と男を再逮捕していた。

 県警は少年が岩渕さんを殺害した動機や背景を調べるとともに、特殊詐欺事件についても捜査を継続する。

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