埼玉新聞

 

列車の通過待ち中、遮断機降りた踏切内に女性留まる…通り掛かりの高校生2人が救助 川越署が感謝状

  • 感謝状を受け取った新井成弥さん(右)、竹村紅葉さん(中央)と川越署の川上正美署長=川越署

 遮断機の降りた踏切に立ち入ったまま動かない女性を避難させ人命救助に貢献したとして、埼玉県の川越署は川越市に住む西武台高校3年の新井成弥さん(18)と県立坂戸高校3年の竹村紅葉さん(18)に感謝状を贈った。2人は「女性が助かって良かった」と安堵(あんど)した表情で振り返った。

 1月10日午後10時50分ごろ、竹村さんが帰宅途中、川越市泉町のJR川越線踏切で列車の通過待ち中、反対側に立っていた女性が降りてきた遮断機にぶつかり、踏切内に留まっているのを発見した。

 竹村さんは「女性が踏切内でずっと下を向いていて、何をしているのかと思った」と振り返る。竹村さんがどうしようかと困っていると、自転車で通り掛かった新井さんが、踏切に入って女性を抱きかかえ、反対側へ出した。

 2人は女性に帰れるかどうかを尋ねたが、自宅の場所が安定しなかった。1時間ほど女性の話を聞き、落ち着いたので2人が帰ろうとすると立ち止まって動かず、また踏切に入る恐れもあったので新井さんが110番。駆け付けた警察官に引き継いだという。

 同署によると、踏切に立ち入ったのは30代女性で命に別状はなく、家族に引き渡されたという。

 新井さんは「女性が助かって良かった。あの瞬間は何も考えずに行動することができた」と話し、竹村さんは「女性と話をして命について考えさせられた」と話していた。

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