埼玉新聞

 

暴行受けた女性、川に落とされる…同僚と犯行、少年が認める 女性恐怖「殺されかけた」/さいたま地裁

  • さいたま地方裁判所=さいたま市浦和区高砂

 飯能市の路上で女性を連れ去り車内で暴行するなどした上、川に落下させたとして、わいせつ略取や監禁、強制性交等などの罪に問われた、無職の少年(17)の初公判が6日、さいたま地裁(任介辰哉裁判長)で開かれ、少年は「間違いありません」と起訴内容を認めた。

 検察側の冒頭陳述によると、少年は福岡県の土木会社の同僚2人とともに、日高市内の作業現場に従事するため飯能市内に宿泊。同僚の男が「通行人を襲って金を奪おう」と話したことをきっかけに、飯能市内の路上を歩いていた女性を車内に連れ込み監禁し、わいせつな行為をするなどした上、林道近くの川に落下させた。

 検察側は「共犯者とわいせつ略取や強制性交等などの共謀を遂げており、高低差がある斜面ということも認識していた」と指摘。犯行態様の凶悪性などから「保護処分の相当性は認められない」と刑事処分が相当であるとした。

 弁護側は「犯行に及ばない責任は、成年で上司の共犯者2人にあった」と指摘。「少年院送致が相当である」と主張した。

 証拠調べでは、被害女性が別室からモニターを通じて証人尋問に応じ、当時の状況などを説明。「私にとっては殺されかけたようなもので、保護処分はもってのほか」と訴えた。

 少年は昨年6月、同僚の男(25)=わいせつ略取罪などで起訴=、林田直樹被告(21)=同罪などで懲役8年判決=とともに逮捕され、その後、検察官送致(逆送)されていた。

 起訴状などによると、少年は昨年6月5日午後11時20分~翌6日午前0時半ごろまでの間、同僚の25歳男、林田両被告と共謀して、飯能市内の路上で帰宅途中だった女性=当時(28)=の背後から近づき口をふさいで車内に監禁。林道まで車を走らせて車内で強制的に性交するなどした上、女性を林道沿いの川に落下させて全治約3カ月の重傷を負わせたとされる。

 林田被告は今年6月、さいたま地裁(河村俊哉裁判長)で開かれた裁判員裁判で「強い恐怖感を与える犯行態様で悪質性が高い」として、懲役8年(求刑・懲役12年)を言い渡されている。

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