埼玉新聞

 

<新型コロナ>クラスターの店名、さいたま市が原則公表へ 客把握なら公表せず 店の了承なく1店公表まだ

  • 連絡会議後、取材に応じる清水勇人市長(右)と大宮商店街連合会の日野俊彦会長=6日午後、大宮区役所

 さいたま市は6日、商店街における新型コロナウイルス感染症対策連絡会議を大宮区役所で開いた。大宮区の接待を伴う飲食店で新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が発生していることから、感染予防対策や情報共有を行うため初めて実施された。清水勇人市長は会議後、「風評被害を受ける」と地元商店街から要望を受けたとして、クラスター発生の店舗名を原則公表すると明らかにした。

 連絡会議に出席したのは、大宮商店街連合会、大宮東口商店街連絡協議会、大宮西口商店街連絡協議会、大宮南銀座商店会、南銀座親正会、大宮料飲組合、大宮料飲サービス協会の代表者ら。

 清水市長は例外として、店側が来店客を把握できるなどしていれば、公表しないとした。さらに「今回のクラスターで商店街の多くの皆さんに影響が出て、客が減っている。感染防止対策のほかに、商店街の振興対策を市としても行う」と商店街の支援を積極的に実施する方針を示した。

 今回クラスターが発生している店は、商店会の会員ではなかった。清水市長は接待を伴う飲食店のキャバクラやホストクラブに対して、「郵送か面接で感染防止のガイドラインに基づいた対応を求めた啓発活動を行う」とも述べた。

 大宮商店街連合会の日野俊彦会長は会議後、「さいたま市は店舗名を(当初)公表しなかった。大宮の地域は広く、全体だと思ってしまう。風評被害が非常に怖いので、場所の指定ぐらいはしてほしい。店舗の名前であればもっと良いが、ある程度の情報を出してほしい」と訴えた。商店街の振興策についても、市に要望したと明らかにした。

 大宮区の南銀座通り(南銀)地区では、キャバクラ2店舗で集団感染が発生している。5日現在、1店舗目は従業員13人、客7人の計20人が感染。2店舗目は従業員5人が感染している。市保健所は6月27日、1店舗目について、大宮区内と発表して当初は店舗名を公表しなかった。店側の了承を得たとして6月29日に公表した。2店舗目については、複数回の要請をしても店側の了承を得られないとして公表していない。同店側から提供を受けた客のリストに基づいて調査を進めている。

 連絡会議では、市保健所が市内の新型コロナウイルスの流行状況と飲食店の感染予防対策を説明した。

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