「死ね」暴言や頭髪指導で生徒の髪切る体罰…県教育局が調査 被害生徒、最多82人 小学校では確認されず
県教育局は10日、さいたま市を除く県内公立学校の2019年度の体罰実態の調査結果を発表した。被害に遭った生徒数は調査開始以来最多の82人となり、小学校では体罰は確認されなかった。
同局によると、体罰調査は12年度から行われ、17年からは暴言も対象となった。暴言ではその場にいる多くの生徒が被害を受けるため、被害人数が増えるという。体罰を行った教職員は同10人増の31人で、「感情をコントロールできないなど課題を抱える教員がいる。当事者意識を高める研修を行う」とした。
体罰の件数は中学校で10件、高校で22件、特別支援学校で3件の計35件(前年度比2件減)で、中学校8校、高校17校、特別支援学校3校の計28校(同19校減)で発生した。
被害生徒数は中学校で34人、高校で45人、特別支援学校で3人。中学校では運動部の顧問の教諭1人が他校との試合中に生徒7人の前で「死ね」「何やってるんだ」などと暴言を吐くことが3度あったという。また、高校では頭髪指導で男子生徒25人の髪が教諭3人によってはさみで切られた。頭髪指導について同局は「指導の在り方への認識に問題がなかったか、学校に指導を行う」と話した。
体罰が行われた場面は授業中が13件、部活動が12件と多く、場所は運動場・体育館が14件で最多。主な被害は負傷なしが19件、その他(精神的苦痛)が10件。首に手を当てたり、足にボールを当てたりしてあざができるなど外傷も3件あった。
体罰を行った教員は30代が最多の9人で、次いで50代が7人。1人が戒告、24人が訓告などの処分を受けた。
調査は県内の市町村立小学校、中学校、高校など1060校と県立中学校、高校、特別支援学校計176校の児童生徒、保護者、教職員を対象に記名式のアンケートで行われた。