コロナの不安が差別に 偏見にNOと言う勇気を…日赤職員、川口西中で講演【#コロナとどう暮らす】
2020/07/11/00:00
日本赤十字社埼玉県支部の職員、中野顕彦さん(43)が10日、川口市立西中学校(瀬山真一校長、生徒数582人)の3年生185人を対象に「新型コロナウイルスの三つの顔を知ろう」と題して講演した。コロナには感染症という病気、未知のことが多いことによる不安、そして不安が根拠のない差別や偏見という第3の感染症につながっていくと指摘。「コロナでは感染防止とともに不安や差別・偏見を防ぐことが大事だ」と訴えた。
中野さんは「不安や差別感情は石けんで洗い流せない。どうしたらいいのだろうか」と、生徒たちに問い掛けながら話を進めた。「医療現場などそれぞれの立場で頑張っている人には敬意を持とう。常に正しい情報を求め、不当な差別や偏見にはNOと言う勇気を持ってほしい」と話した。
講演を聞いた3年生の生徒4人=いずれも15歳=の感想を聞くと、サッカー部の福永登惟さんは「コロナから自分を守るためには体だけではなく人権被害も防がないと。手洗いだけではなく、差別をしないよう気を付けて生きていきたいと感じた」。同部の平山諒さんは「偏見は身近にある。普段の会話でも多い。もう少し気を使っていきたいと思う」と語った。
女子バスケット部の岡野史歩さんは「病気だけではなく、人間関係に影響してくることが怖いと思う。まずは感染を防ぎ、誤った情報をうのみにしないよう気を付けたい」。同部の内山彩葉さんは「命だけではなく、人間関係も崩れることは恐ろしい。情報は自分でしっかり判断して見極めていかなければ、と思った」と話していた。