ラグビー・パナソニックワイルドナイツ移転、熊谷に宿泊施設など整備 ファン引き付け、地域活性化にも期待
県ラグビー協会は14日、トップリーグに所属するパナソニックワイルドナイツの熊谷市への本拠地移転に伴い、昨年のワールドカップ(W杯)で3試合が行われた熊谷ラグビー場のある熊谷スポーツ文化公園内にクラブハウスや宿泊施設などを整備すると発表した。各種施設は2021年8月までに完成予定。その後、同チームは本拠地を熊谷に移し、22年1月の開幕を目指す新リーグに挑む。W杯後のレガシー創出を課題としていた県の大野元裕知事は14日の定例会見で「ワイルドナイツには本県のラグビーの普及・発展に貢献してもらうとともに、多くのファンを引き付けて地域活性化の起爆剤になってほしい」と期待した。
県協会などによると、同公園内の約3ヘクタールの「芝生広場(西)」に、管理棟や屋内運動場、宿泊棟、ラグビーグラウンドを整備する。2階建ての管理棟は、同チームのクラブハウスとして使用する。併設する屋内運動場は高さが最大で約8メートルあり、ラインアウトなどの練習もできる。
4階建ての宿泊棟は、一般客やラグビーの合宿参加者らの利用を想定する。2~4階が客室で、部屋はカプセルタイプが180室、シングルが9室。ツインやデラックスツインも58室備え、海外選手らの受け入れも見据える。
管理棟と宿泊棟の間には、130メートル×70メートルのフルサイズのラグビーグラウンドを配置し、W杯の試合が行われた熊谷ラグビー場と同種の天然芝「ティフグランド」を敷き詰める。同芝は成長が早く、クッション性に優れているという。同所がパナソニックの練習場になるほか、大会の会場としても使われる見通し。
群馬県太田市を本拠地としてきた同チームの熊谷移転を目指し、パナソニックと県、熊谷市は昨年3月に協定を締結。総工費は34億9千万円で、今年3月に同公園を有する県が県協会に施設の設置管理を許可し、6月には同協会とパナソニックが35年の賃貸者契約を結んだ。
県協会会長の熊谷市の富岡清市長は「宿泊施設などを備えた新たな魅力が加わることで、にぎわいと利便性の向上につながる。ラグビー関係者だけでなく、広く利用していただきたい」とアピール。同チームの坂手淳史主将は「移転が決まった熊谷の皆さん、全国のファンの皆さんと一緒にラグビーを盛り上げていきたい」と決意を新たにした。