埼玉新聞

 

異常な激怒、窓から投げられたテレビ…「すごく優しい」と言われた男豹変、部屋から爆発音「ドーン」病院銃撃の立てこもり犯に 周囲の人を気遣って“貼り薬”配る性格から一変 止まらない怒りを知る人「やっぱり」

  • 確保後の男を乗せた車両が蕨署に入る様子=10月31日午後10時46分

    確保後の男を乗せた車両が蕨署に入る様子=10月31日午後10時46分

  • 確保後の男を乗せた車両が蕨署に入る様子=10月31日午後10時46分

 埼玉県蕨市中央5丁目の蕨郵便局に男が拳銃のようなものを持って立てこもっていた事件で、県警は10月31日夜に局内に突入し、人質強要処罰法違反の疑いで、戸田市新曽の無職の男(86)を逮捕した。県警によると容疑を認めている。戸田市の病院で銃が発砲された事件や、戸田市のアパート火災も関与を認めた。

■近隣住民「怒り出すと止まらず」

 蕨市で10月31日に発生した郵便局での立てこもり事件に関連した男が住む戸田市新曽のアパート火災。一連の事件から一夜明け、火災現場周辺には心配そうな目を向ける近隣住民など、いまだに緊張感が漂っていた。

 現場はJR戸田駅から南西に約200メートル離れた木造2階建てのアパート。同日に拳銃による発砲があった戸田中央総合病院とは直線で約1キロ離れていた。

 同じアパートに住む50代の女性は事件当日に男がバイクで出かけるのを見ていた。その後の昼ごろ、男の部屋から「ドーン」という大きな爆発音が聞こえたという。最初は地震と勘違いしたが、焦げ臭いにおいがしてきて火災と気付いた。火災後の建物内は丸焦げで何も見えないという。

 女性によると、男は10~20歳ほど年下の女性と同居していたが10年ほど前に解消していた。女性とは度々言い争いになっており、テレビを壊して窓の外に放り投げていたこともあったという。「しゃべりかけると優しいが、何かに怒り出すと止まらなくなり、暴力的になってしまう方」と話し、立てこもり事件を起こしたことに関して「やっぱり」と話した。

 近所に住む80代の男性は男について「すごく優しかった」と話す。男性は近所の福祉施設で男を見かけることがあり、事件の2~3日前にも会っていた。「病院でもらった」という軟こうや貼り薬を周りの人に配っていたという。ただ、その一方で、何らかのトラブルなどで夜中に警察官と口論になることもあったと明かした。
 

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