薬膳パウンドケーキ、上尾で産学官連携開発 市、障害福祉事業所「第2ぷちとまと」、日本薬科大学がタッグ
上尾市、障害福祉サービス事業所「第2ぷちとまと」、日本薬科大学の3者が産学官連携で共同開発した「薬膳ジンジャーパウンドケーキ」の完成試食会が17日、上尾市役所で行われた。市内各所で販売している。
共同開発は、就労継続支援B型事業所で働く障害者の工賃向上の取り組みとして実施された。市から業務委託されている上尾アブセック(太田篤實会長)が昨年度から支援する「第2ぷちとまと」に新商品開発を提案。「第2ぷちとまと」は事業所にカフェを併設、利用者が手作りしたお菓子やパンなどを提供している。カフェの顧客にアンケート調査したところ、顧客の多くが女性で、しかも冷え性や整腸に悩みを抱えていることが分かった。そこで市と相互連携を結んでいる日本薬科大学とのマッチングが実現した。
「薬膳ジンジャーパウンドケーキ」は同大学薬学科の糸数七重講師がレシピを監修、薬膳の効能を生かした体に優しいケーキに仕上がっている。体を温め、血の巡りを促進するショウガ(ジンジャー)とインドの伝統医学で「スパイスの女王」と呼ばれ、腸を整え、消化を促進し口臭を消すとされるカルダモンパウダーの2種類のスパイスを配合、さらに漢方薬にも使われるクコの実をアクセントに入れている。
試食した畠山稔市長は「とてもおいしかった。ショウガとアーモンドがバランスよく、全体的にまろやか。ひとかけらじゃ足りない」とお代わりをするほど気に入った様子。薬科大の都築稔副学長も「福祉施設の方と一緒に考えたアイデアが形になってうれしい。楽しく一生懸命作ってる姿に感激した」と話した。
「第2ぷちとまと」では職業指導員の木村優さんがレシピを担当、利用者20人が作った。木村さんは「ジンジャーとカルダモンはくせが強く配合の調整が難しかった。1グラムで味が全く違ってしまうので、何度も試作を繰り返した」と制作の苦労を話した。利用者の柳川明日実さん(23)も「初めてのパウンドケーキ、とてもおいしくできました。早くみんなに食べてもらいたい。みんなにエールをもらって、頑張ります」とはにかんだ笑顔を見せた。
「薬膳ジンジャーパウンドケーキ」は、ぷちとまとアートカフェ、あげお お土産・観光センター、ふれあいの店(市役所1階)で販売。価格は、1カット230円(税込み)、1本650円(同)。
問い合わせは、市障害福祉課(電話048・775・5315)へ。