埼玉新聞

 

コロナ感染者ゼロの長瀞で無病息災を祈る伝統行事「オショウジン」 大わらじ登場【#コロナとどう暮らす】

  • 大わらじの前でおはらいを受ける地域住民たち=26日午前10時40分ごろ、長瀞町長瀞

 長瀞町上長瀞区の無病息災を祈る伝統行事「オショウジン」が26日に同地区で実施された。地域住民は高さ約5メートル、横約1・3メートルの大わらじの前でおはらいを受けた。

 わらじは疫病神の侵入を防ぐのが目的で、区境に立てる。大きな穴が開いているのは疫病神を追い払うという言い伝えから。穴から地区をのぞく際、「こんなわらじを履く大男がいるのか」と驚かせ、退散させるためだとされている。例年は7月に交換するが、今年は新型コロナウイルスのため、5月に作業を実施した。

 住民はおはらいを受けた後、荒川に移動。本来は長い竹の先に御幣(ごへい)を付けた梵天(ぼんてん)を大岩に立てるが、今年は増水のため、梵天を河川敷に立てて無病息災を祈った。荒川で千回水をすくい上げる千垢離(せんごり)は中止となった。

 大わらじ保存会会長の堀口秩(さとし)さん(74)は「まだ長瀞ではコロナが出ていないので、続いてくれれば」と話していた。

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