埼玉新聞

 

破壊力すさまじい竜巻注意、昼夜問わず発生 台風通過の夜、県内で竜巻4つ発生した過去も 対策どうすれば

  • 屋根瓦が剥がれ、ブルーシートをかぶせた住宅の屋根。手前は竜巻で発生した災害ごみ=7月30日午後5時ごろ、三郷市上口1丁目

 三郷市で7月25日夕、住宅やビニールハウスなどを破損させた竜巻は発生から1週間が経過した。県内では7年前の2013年9月、竜巻が2度発生し、多くの負傷者や家屋の被害が出ている。予測がとても難しいとされる竜巻。関東地方が梅雨明けし、発生の可能性が高くなる夏本番に向けて、熊谷地方気象台は注意を呼び掛けている。

 竜巻は7月25日午後6時半ごろ発生し、三郷ジャンクション(JCT)近くの同市上口や泉、南蓮沼地区などを南西から北東に約4キロにわたって襲い、窓ガラスが割れたり、屋根瓦が吹き飛ばされるなどの被害が出た。市はこれまでに住宅など72棟、ビニールハウス17棟などの損壊を確認している。

 風速は40メートルと推定され、竜巻の強さを示す「日本版改良藤田スケール」の6段階評価で下から2番目の「JEF1」と判定された。

 県内では13年9月に2度にわたり、竜巻による大きな被害が出ている。9月2日午後に発生した竜巻はJEF2の強さで、越谷市や松伏町、さいたま市を長さ19キロ、幅100~200メートルにわたって横断。負傷者は60人を超え、損壊した家屋・建物は約1500軒に上った。

 さらに2週間後の同月16日未明には台風の通過に伴い、熊谷や行田市、滑川町などで四つの竜巻が発生。16人が負傷し、約千棟に被害が出た。

 竜巻はいつ、どこに発生するか、予測が難しい。熊谷地方気象台は「山があればさえぎられるが、それ以外の開けた場所では起こり得る。時間も昼夜を問わない」とする。

 一方、ひとたび発生すると破壊力はすさまじい。三郷の竜巻は下から2番目の強さだったが、成人男性より重いサッカーのゴールポストが吹き飛ばされた。目撃した人は「風で渦を巻くように飛んだ」と話している。

 夏本番を迎えるこれからは激しい気象現象をもたらす積乱雲が発達しやすい。

 熊谷地方気象台は「竜巻だけでなく、突風やダウンバーストもいつ起きてもおかしくない。急に暗くなってゴロゴロと雷が鳴ったり、冷たい風が吹いてきたら、早めに頑丈な建物に避難してほしい」と呼び掛けている。

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