上半期の刑法犯、大幅に減少…新型コロナ外出自粛が影響か 在宅の人増え空き巣減る 殺人は2件増/県警
県警が今年1~6月の上半期に認知した刑法犯の件数(暫定値)は前年同期より4540件少ない2万2576件だったことが3日までに、県警のまとめで分かった。減少率は16・7%で過去5年では最も大きかった。特に新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言期間中の4月は前年同月比19・4%減、5月は同31・3%減と大幅に減っており、県警は「外出自粛が影響しているのではないか」としている。
県警生活安全総務課によると、認知件数は2005年から16年連続の減少で、ピークだった04年の9万4968件から76・2%減った。月別ではいずれも前年同月と比べて、4月が834件減の3457件、5月が1571件減の3445件、6月が884件(18・5%)減の3884件となっており、緊急事態宣言期間前後の減少幅が大きい。1~3月も7・7~11・7%減っている。
未遂を含む罪種別で大きく減ったのは窃盗犯で、3946件(19・9%)減の1万5891件。このうち自転車盗が1778件(25・3%)減の5259件、車上狙いが609件(35・1%)減の1124件、万引が608件(18・7%)減の2641件となった。
重要窃盗犯では自動車盗やひったくり、すりが減少。「空き巣」や家人の在宅中を狙う「居空き」など住宅対象の侵入窃盗も約11・0%減った。コロナ禍で在宅する人が増えているためとみられる。
一方、捜査3課によると、1月ごろから新築工事現場や建設現場を狙った窃盗が約130件発生しており、侵入窃盗全体は208件増の2176件と増加している。
殺人や強盗などの重要犯罪は292件で、85件(22・5%)減少。このうち強制わいせつが92件(46・0%)減の108件と大きく減った。殺人は2件増の42件、略取誘拐・人身売買は13件増の20件と、いずれも増加した。
検挙件数は8257件、検挙人数は4992人でいずれも微増。検挙率は1989年以降最高の36・6%となった。重要犯罪の検挙率は95・5%で、96年以来の90%台を記録。警察官100人当たりの検挙件数は2・4件で全国1位となっている。生活安全総務課は「認知件数が減った中で一つ一つ捜査していった結果、検挙率が上がったのではないか」としている。
警察官100人当たりの認知件数は195・9件で、負担率は全国1位となっている。