<新型コロナ>感染者病床、1千床へ 埼玉県、医療機関に協力要請 患者急増に対応可能な体制に
新型コロナウイルスの感染拡大に備え、県は感染者を受け入れる病床について、現在の600床体制から1千床体制に増床するため、県内66医療機関に協力を要請する。大野元裕知事が4日の定例会見で明らかにした。今月3日までの直近1週間の県内新規感染者数が過去最大の419人となったことについて大野知事は「重く受け止めている」と話し、「(患者急増に)対応が可能な限りできるような体制にする」と、再拡大する新規感染者に対応できるよう医療機関に病床確保を求めることにした。
県は7月14日、国の新たな患者推計に基づき、感染拡大状況ごとの新たな病床確保計画を4段階で示した。「小康期」は140床(うち重症20床)、「拡大兆候期」は600床(同90床)=現在の状況、「拡大期」は1千床(同150床)、「ピーク期」は1400床(同200床)としている。
中でも「拡大兆候期」から「拡大期」へと移行する目安を入院患者数220人以上、または重症ベッド使用率50%以上としていた。7月17日以降、県内の入院患者数は「拡大期」への移行要請の目安となる220人を超えているものの、重症者は少なく、患者増加数が国の推計よりも緩やかだとして、県はこれまで医療機関に対して移行の要請を保留してきた。
県は病床の確保について、専門医師がいるなどの条件が整っており、ただちに病床を空けることができる即応病床であることを病床の「確保」と定めている。4日時点で確保できている病床数は約680。7日以降、1週間以内に「拡大期」へと移行した場合に備え、1千床を確保できるよう県内66医療機関に要請することにした。
県内の直近1週間(7月28日~8月3日)の新規感染者が419人。その前の週(7月21~27日)を110人上回り、1週間当たりの新規感染者者数は過去最大となった。県内の新型コロナウイルス感染による入院者数は、4日午後5時時点で、計298人(指定医療機関82人、一般医療機関216人)。